「自主映画で時代劇を撮る!」チャレンジ精神が生み出した映画『侍タイムスリッパー』の大ヒット
■インディーズ映画ならではの熱さ 私はインディーズ映画が好きで、東京に単身赴任していた時期に、東京・西神田のビルで毎月開かれている「TOKYO月イチ映画祭」によく行っていました。月に1回開催で、10本くらいの映画を観ます。5分の短編から、30分より少し長いくらいまでの自主映画をみんなで持ち寄り、上映作品を全部観通した人は投票ができ、その月のグランプリを決めています。これだけの本数が集まるのは東京ならでは、と思いました。そこにはチャレンジ精神、夢を見る心があり、私は大好きです。 この「TOKYO月イチ映画祭」で上映された映画に出た、カトウシンスケさんという役者さんが非常に印象に残りました。そのカトウさんがメジャー映画『ある男』に出演したので、ちょうど2年前にこのコーナーで紹介しました。 インディーズ映画にはいろんな可能性があります。報われないことが多いかもしれませんが、監督も、役者も自分でモノを作って表現していく。『侍タイムトリッパー』は、そんな意気が込められた映画でした。 映画館で観て、大ヒットする理由がよく分かりました。劇場ではゲラゲラと笑い声が起きているし、泣いた人もいるんじゃないかな。ストーリーがとにかく面白かったので、「これは観る価値が十分にある!」と思いました。 インディーズ映画の大ヒットと言えば、『カメラを止めるな!』(2017年)があります。「もう2度とない」と言われた『カメ止め』の大ヒットでしたが、その再来とまで言われるヒットになってきています。お近くの映画館で観ることができるので、ぜひ鑑賞してください。とにかくおかしいし、悲しいし、笑えます。 ■◎神戸金史(かんべ・かねぶみ) 1967年生まれ。毎日新聞入社直後に雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。ニュース報道やドキュメンタリー制作にあたってきた。やまゆり園障害者殺傷事件やヘイトスピーチを題材にしたドキュメンタリー最新作『リリアンの揺りかご』は、9月から各種プラットホームで有料配信中。
RKB毎日放送
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