カープ・末包、年俸アップも笑顔なく…悔しさあらわ「9月の打撃成績悪かった」オフは確実性向上をテーマに
年俸アップにも笑顔はなかった。プロ野球・広島の末包昇大(28)は3年目の今季、いずれもキャリアハイの出場79試合、37打点をマーク。球団から一定の評価を受け、1100万円増の3600万円(金額は推定)で契約を更改したが、「(故障による)離脱が長かったし、勝負所の9月の打撃成績が悪かった」と悔しさをあらわにした。
1メートル88、112キロの体格。左の巧打者が多いチームにあって、貴重な右の大砲だ。しかし、今季の本塁打数は昨季を2本下回る9本にとどまった。チームが12球団最少の52本塁打と長打力不足に泣いたこともあり、「(自身の)悪いところが目立った」と責任を背負う。
キャンプ前に左膝を痛めたのが、つまずきの始まりだった。開幕に間に合わず、5月8日にようやく一軍へ昇格。そこから6本塁打を放ち、打線を引っ張った。だが、6月下旬に左太もも裏の肉離れで、再び二軍での調整を余儀なくされた。
夏場に再昇格したが、今度は相手バッテリーの外角攻めに対応できず、「色んなことを考えすぎて駆け引きで負けた」。9月は打率1割7分1厘、0本塁打。チームもリーグワーストタイの月間20敗を喫し、優勝争いから脱落した。
来季に向け、オフは確実性の向上をテーマに掲げる。今季は右肩に力が入りすぎる癖が抜けず、打てる球を仕留めきれなかった。持ち味のパワーを生かすためにも「秋(のテーマ)はそれ一つでいい。悪い癖を直したい」とバットを振り込む。
岡本和(巨人)、村上(ヤクルト)、牧(DeNA)ら他球団のスラッガーを意識し、「打線の軸となるホームラン打者になりたい」と力を込める。彼らと肩を並べられる打者に成長できれば、まだ経験していない優勝にもおのずと近づく。(新田修)