「ゲームの主流を再定義する」なんて言ってない―『ラスアス』ニール・ドラックマン氏が海外ソニーインタビューの内容を否定
『The Last of Us』などで知られるNaughty Dog責任者のニール・ドラックマン氏が米ソニー公式サイトのクリエイターインタビューに答えたことを先日お伝えしましたが、ドラックマン氏のXにてその内容が意図しないものになっていることが明かされました。 【画像全3枚】 「主流を再定義する」なんて言ってない 米ソニーのサイトに掲載されている内容では、エンターテインメントの未来で実現してほしいビジョンや夢について訊かれたドラックマン氏が、現在進行系で興奮できるプロジェクトに参加していることに言及。ゲーマーと非ゲーマーのギャップを埋めることを狙ったドラマ版「The Last of Us」を例に、自身の子供時代よりもあらゆる年齢層でゲームに対する評価や見方が変わっていることを述べました。 その中で、最後の段落で現在作っているゲームについて、「この新しいゲームは、ゲームに対する主流の認識を再定義する可能性があるからです。」と言及。この部分を中心に国内外のメディアでも報じられるなど注目を集めました。 しかし、ドラックマン氏のポストでは「私が言ったこととまったく違う」とこの発言を否定。同氏は「私のとりとめのない回答を編集しているうちに、残念ながら文脈や意図の一部が失われてしまった」と述べ、リプライにて原文の文字起こしと思われる文章を載せました。 その中ではゲームが「信じられないような感動体験があるんだ」と気づくような転換点を迎えており、世界のユーザーが新作にどのような反応を示すかを楽しみにしているという発言となっています。確かにこの内容からは、「ゲームに対する主流の認識を再定義する」というようなニュアンスは汲み取れず、編集時にミスが生じてしまったものと思われます。 インタビューは発言の内容を変えるもの 一般的にインタビューは話し言葉をそのまま載せるということはありません。重視されるのは読みやすさであり、それに応じて内容や言葉、ときには発言の順番も大きく変えることになります。 一方で、インタビューされる側(インタビュイー)が意図していないニュアンスに変更するということはありません。またGame*Sparkの場合、多くのインタビューは掲載前にインタビュイーに最終的な原稿を確認してもらうという過程を経て掲載しています。 ドラックマン氏が掲載した内容を見てみると、「これまで見たことがないようなゲームへの新しい評価が行われている」「昔、ゲームは子供のものだったが、今は明らかにみんなのものだ」などの発言が「ゲームに対する主流の認識を再定義する可能性がある」という言葉にまとめられたと推測されますが、やや意図を誇大しすぎてしまったようです。
Game*Spark みお
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