じつは「紅麹」よりも圧倒的にヤバい…大事故が起きていないのが不思議な「最近、増えている身近な食べ物」
食べ物を手で混ぜたらいけません
2023年4月、静岡県沼津市のホテル「AWA西伊豆」が保健所の立ち入り検査を受けた。「手の常在菌を使って発酵させたシロップ」のジュースを出していたせいだ。テレビ番組で、ホテル店員がシロップを手でかき混ぜるシーンが放映され、保健所に通報されたという。 健康な人の手は乳酸菌が生息し弱酸性で雑菌を殺す、あるいはぬか漬けが各家庭で味が違うのも、かき回す人の手の乳酸菌のおかげと言われるが、間違いだ※。皮膚に乳酸菌はいない。 皮膚にいる菌の大半は殺菌力は高いが、増えると食中毒の原因菌となるブドウ球菌や黄色ブドウ球菌、ニキビの原因のアクネ菌であり、乳酸菌は手から剥離する。皮膚が弱酸性なのはブドウ球菌たちのおかげであり、食品に付着して増殖すれば食中毒を引き起こす。発酵に皮膚常在菌を使うなんて、食中毒になろうと言っていることと同じだ。 赤ちゃんの手は乳酸菌でいっぱいで、赤ちゃんの手で牛乳を混ぜたら赤ちゃんヨーグルトができるという記事があり、知り合いの赤ちゃんの手を借りて実験したことがある。1週間後、牛乳は見事に腐った。一応、なめてみたが、吐いた。当たり前だ。 赤ちゃんだろうが、手には腐敗菌のブドウ球菌しかいないのに、牛乳がヨーグルトになるわけがない。 天然酵母の食品を食べてお腹を壊しても、それは「好転反応」で、体の悪いものが外に出ていく「デトックス(排毒作用)」で、その後は健康になるとまことしやかに書かれたサイトや記事があるので要注意。 好転反応などと言う生理反応は、漢方医学にも西洋医学にも学術にもない。詐欺まがいの商法の都合のいい言い訳だ。好転反応と書いてあったら、詐欺もしくは無知と思って間違いない、 自家製の発酵食品を食べて腹痛になったら、それはデトックスではなく食中毒。すぐに医者へ行きましょう。 ※「Direct contact of fermented rice bran beds promotes food-to-hand transmission of lactic acid bacteria」(FEMS Microbiology Letters) https://academic.oup.com/femsle/article/doi/10.1093/femsle/fnad120/7419872