「犯罪都市 NO WAY OUT」マ・ドンソク&青木崇高「今では本当の弟のような存在」日本公開記念インタビュー
韓国で大人気の映画「犯罪都市」シリーズ。マ・ドンソク扮する〝怪物刑事〟ことマ・ソクトが、拳ひとつで最狂の悪党たちを撃ち破る爽快アクション「犯罪都市」最新作「犯罪都市 NO WAY OUT」が、ついに日本上陸! 日本公開を記念して、ジャパンプレミアが開催され、マ・ドンソクが来日。本作で韓国映画初出演となった青木崇高とともに、インタビューに応じた。 【写真】ジャパンプレミアに登場した國村隼、マ・ドンソク、イ・サンヨン監督、青木崇高 ――韓国で大ヒットを記録した「犯罪都市 NO WAY OUT」が、いよいよ日本で公開となります。率直な思いを聞かせてください。 マ・ドンソク「素直に、とてもうれしいです。『犯罪都市』は、ありがたいことにシリーズ1から3の累計動員が3000万人を突破するという、韓国映画では初めての記録を達成した作品です。そんな作品が日本で公開されるということで、幅広い世代に楽しんでもらえたらと思っています」 青木崇高「日本公開を待ちわびていました。『犯罪都市 NO WAY OUT』が韓国で公開された時、現地でたくさんの劇場をまわって舞台あいさつをしたんですが、お客さんの反応がとても熱かったんです。その景色を目の当たりにしたので、日本でもきっと熱い反応がいただけると信じています」 ――本作の見どころは、切れ味のいいアクションと人間味あふれるユーモアさだと感じました。 マ・ドンソク「『犯罪都市』シリーズは実際に警察に訪問したり、プロファイラーの方にお話を伺ったりして、実際の事件をベースに物語を作っていきます。刑事が犯罪者を捕まえるというシンプルな役割の中に、サスペンスやスリルを加味するため、ワンシーンごとに、動き一つにしてもストーリー展開やユーモアのツボ、悪役のセリフなどなど、悩みは尽きません。アクションは1cmズレただけでも、あごの骨が折れたり大ケガをすることがありますので、繊細に撮影をしています。ユーモアの面では無理やり笑わせようとしているのではなく、キャラクターが本当に言いそうなセリフを作ろうと心がけました」 ――それがうまくいっているということは、いい緊張感や空気感があるからだと思います。作品作りをするうえで譲れないもの、心を砕いているものはなんでしょうか。 マ・ドンソク「シリーズはパターン化して、飽きられてはいけません。そのため、それぞれのトーンを変えるということに気を配りました。もちろん、アクションも毎回違ったものにしようと何度も会議をして、数十回とシナリオを書き直しています。シリーズ1は暗くて強い世界観、シリーズ2はストーリーの拡張、シリーズ3は前作以上に楽しめて、幅広い年齢層に楽しんでもらうよう、娯楽性の部分を強調しました。そして『第74回ベルリン国際映画祭』に招待されている『犯罪都市4』は、重厚感のある作品となっています。『犯罪都市』は私が骨身を削り、全てを捧げている作品なんです」 ――青木崇高さんは、そんな大ヒットシリーズで韓国映画初出演となりました。 青木崇高「日本から来た僕を、『犯罪都市』チームはあたたかく迎え入れてくれました。マ・ドンソク兄さんは、ご自身の信念に基づいたチーム作りを体現されていて、その結果、彼を真ん中にしてチームができあがっていて感動しましたね。言語に違いはありますが、映画を作るチーム、ファミリーとして、その一員として過ごした時間はとてもかけがえのないものでした」 ――映画の制作チームでもあるマ・ドンソクさんと、イ・サンヨン監督は青木さんのどのような点に魅力を感じたのでしょうか。 マ・ドンソク「映画『るろうに剣心』を観て興味を持ち、その後彼のあらゆる出演作を観ました。ドラマや映画をいち観客として楽しむ面もありますが、やはりプロデューサーの視点で見てしまうところがあって、崇高はアクションだけではなく、演技がすばらしい俳優だと感じました。『犯罪都市』はリアリティーがとても大事な作品なので、演技の部分でにせものと思われてはいけません。なので、演技もアクションもできる崇高とぜひ一緒に仕事がしたいと思い、オファーしました。そして彼がリキとしてカメラの前に立った瞬間『ああ、リキがいる。この作品はもう大丈夫だ』と確信が持てました。第一印象から人柄の良さは感じていましたが、撮影を重ねてさらにいいやつだと知り、今では本当の弟のように大事な存在です」 ――青木さんは、元々マ・ドンソクさんのファンだったそうですね。 青木崇高「はい、マ・ドンソク兄さんの作品は、ほとんど観ているほどファンだったので、オファーをいただいた時は本当にうれしくて光栄でした。でもオファーを受けてからは、ファンではいけない、同じ作品を作るメンバーにならなければと、気を引き締めましたね。お兄さんと初めてお会いしたのは、彼のオフィスでした。そこで『犯罪都市』のことや今後の展望、さまざまなプロジェクトについて教えてくださって、まさにプロデューサーとしての一面を見て、衝撃を受けました。撮影に入ってからは、ドンソク兄さんや監督、共演者の皆さんとワンカット、ワンカット、アクションを作り上げていって、演じながらとても興奮しました。何ものにも代え難い、すばらしい経験をさせてもらいましたし、とても楽しかったです」 【次ページ】マ・ドンソクが語る大ヒットシリーズのプレッシャーとは