県警が自転車利用時のヘルメット着用を推進するため、県警が考案した「ゆるキャラ」のポスター。ジャコウウシの親子がモデルだ＝県警本部

　自転車を利用する際のヘルメット装着率が本県で低調なことを受け、県警は着用促進に向け、羊にも見えるオリジナルの「ゆるキャラ」を使った取り組みを始める。雄同士が角をぶつけ合う「ジャコウウシ」をモデルに交通企画課員の警察官が考案。親子2体の愛称をそれぞれ募集している。 　2023年までの過去5年間に、県内で発生した自転車が関わる死亡事故の死因は、5割ほどが頭部損傷だった。ヘルメットを正しく装着すれば、死亡までは至らずに助かる可能性もあるが、昨年から努力義務として始まったヘルメット着用は県内で進んでいないのが現状だ。着用率調査結果は23年7月は8.9％で、都道府県別で全国25位。今年同期比の全国一斉調査で本県は10.2％で、1.3ポイント上昇にとどまり37位だった。県がヘルメット購入費の助成や、高校の中から着用推進モデル校を指定するなどし、普及に取り組んでいるが、効果はいまひとつだ。 　新たな普及・促進策として、県警が始めるのがゆるキャラによるＰＲだ。ジャコウウシは北極圏に生息するウシ科の動物。雄同士は縄張り争いなどで角を激しく突き合わせるという。こうした習性を知った課員が、頭を守るヘルメットをジャコウウシにかぶせ、ゆるキャラに仕立てた。考案したキャラクターはチラシやシールにして啓発活動などで活用する。同課の守谷美雪重大交通事故対策室長は「違和感のあるキャラになったかもしれないが、なぜヘルメットをかぶっているのか考えてもらい、命を守る意識を醸成したい」と話している。

　愛称募集は10月18日まで。条件は県内在住で、はがきや「やまがたｅ申請」などで申し込む。問い合わせは県警交通企画課023（626）0110。