「なんと小説の中にミルクボーイが出てくんのよ」 M-1王者を混乱させた「成瀬」のリアルすぎる漫才描写とは
駒場 この小説、舞台が滋賀の大津やん? 僕ら、年明けてから何度か営業に行かせてもらってたから、あそこに成瀬がおったんやな! って情景込みで話に入り込めた。だからなんか滋賀にはいまも成瀬や島崎が暮らしてる気になるし、このタイムリーさに、成瀬と会えたんは運命やったんやな! と。 内海 え? いまも膳所におるやろ、成瀬。おらんの? 僕の中では成瀬は生きてますよ。勝手に動き出して、今も膳所におって、きっとなんか変なことやってる。成瀬は変わってるけど、律儀な感じがええのよ。絶対人を裏切ったりとかしない、真っ当さがいい。五章に成瀬を好きになる他校の男子生徒が出てくるけど、めっちゃ分かる。ミシガン(編集部注:琵琶湖の観光船)で一緒に琵琶湖をクルーズするのとか、めちゃくちゃ良くて、僕もデートしたなった。まぁ成瀬なんで、急に帰ったりするんだろうけど(笑)。 駒場 僕にとっては成瀬は彼女と言うより後輩とか友達のイメージやったな。ハイツ友の会っていう女性お笑いコンビの感じを思い出した。成瀬はいい奴やから幼なじみだったら絶対友達にはなると思うし、漫才続けてたらどっかの舞台で会うんじゃないかという気になった。 内海 こっから先、成瀬が漫才続けても続けなくても、大人になっていく成瀬がどんなことやるのかめっちゃ気になる。ぜひ作者の宮島さんには続編を書いてもらって、また成瀬に会わせて欲しい! 駒場 そやな。続編にもミルクボーイの出番作ってもらえたらええな。なにせミルクボーイと成瀬は運命的に結ばれてますから! ※この記事は「波」2023年4月号をもとに再構成したものです [文]新潮社 協力:新潮社 新潮社 波 Book Bang編集部 新潮社
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