〔NY外為〕円、154円台前半(15日)
【ニューヨーク時事】週末15日のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利の上昇一服や持ち高調整の動きなどを背景に円買い・ドル売りが加速し、円相場は1ドル=154円台前半に大幅上昇した。午後5時現在は154円11~21銭と、前日同時刻(156円23~33銭)比2円12銭の大幅な円高・ドル安。 ニューヨーク市場は155円36銭で取引を開始。米商務省が朝方発表した10月の米小売売上高統計で底堅い消費動向が確認されたことを受けた米長期金利の上昇局面ではドル買いが勢いづいたが、反応は一時的。その後、債券売り一服で金利が一時低下に転じると、円買い・ドル売りが改めて強まり、円は一時153円86銭まで上昇した。 週末および来週18~19両日開催される20カ国・地域首脳会議(サミット)を控え、持ち高調整で円が買われドルが売られる動きもあったもよう。さらに、加藤勝信財務相が15日の記者会見で、「投機的な動向を含め、為替市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視する」と円安をけん制するような発言をしたことも円買いを支えた。 ただ、トランプ次期米政権が掲げる追加関税導入や法人税率引き下げなどインフレを再燃しかねない政策を念頭に置き、足元でドルの先高観は強い。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は前日の講演で、堅調な米景気を踏まえて「利下げを急ぐ必要はない」と明言。これを受け、CMEグループのフェッドウオッチでは、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%追加利下げ予想がこれまでの約80%から約60%に低下、金利据え置き観測は約4割となっている。 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0533~0543ドル(前日午後5時は1.0525~0535ドル)、対円では同162円65~75銭(同164円36~46銭)と、1円71銭の大幅な円高・ユーロ安。