藤原よしおが合法ドラッグのようなポルシェ911GT3 RSに乗って思わず叫んだ本音がこれだ!「鉄壁のグリップはスピンする隙すら与えない!」
一見さんが迂闊に手を出してはならない!
車幅いっぱいの巨大な可動式リア・ウイングをはじめとしたエアロパーツの数々が、通常のGT3とは別格の存在感を放つ。2019年にデビューした992型911に、ついに追加されたポルシェ911GT3 RSにモータージャーナリストの藤原よしおさんと渡辺敏史さんが試乗。2人が思わず叫んだ本音とは? 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 【写真36枚】素手で洗車したら指でも切りそうなくらい空力パーツだらけのボディがスゴい911GT3RSの写真を見る ◆「まさに新手の合法ドラッグ」藤原よしお 純レーシングカーとロードカーとの圧倒的な差は、パワーや見た目ではなく、構造やパーツに妥協や遊びが一切ないこと。素手で洗車したら何箇所か切り傷を負うんじゃないか? と心配になるほどカクカク、トゲトゲしたエクステリアが圧巻の911GT3 RSは、まさにそれ。 一見911GT3のモディファイ版と思いきや、中身は別物。エンジンやギヤボックスをソリッド・マウントしているような塊感、ダイレクト感に溢れたボディ。 ミクロン単位での制御すらできそうなほどシャープで遊びのないステアリングと、それをしっかり受け止めるサスペンション。 さらに驚異的なのがバンプを超えても一切Gが抜けない圧倒的なダウンフォース! それらがもたらす鉄壁のグリップはスピンする隙すら与えない。 確かに9000回転まで一気に吹け上がる4リッター NAエンジンも凄いけど、この驚くほど安定してコントローラブルなシャシーから得る快感はまさに新手の合法ドラッグ。ありきたりの表現で恐縮だけれど、これぞ純度100%のレーシングカー。それをオプション込み4000万円以下で売るポルシェは凄い! ◆「乗るには気概が求められる」渡辺敏史 911は真ん中のカレラを軸に、全能安楽的ターボ系と求道官能的GT3を正対に据えながら、仏像のように三尊のフォーメーションを組んでいる。対してRSはそこから一線を画する不動明王的な立ち位置にあったわけだが、近年その炎量が二次曲線的に増しているように思うのは僕だけだろうか。 最新のGT3 RSは走り出した瞬間から、ピットレーンを移動するレーシングカーのような剥き出し感や直結感をその振る舞いで思い起こさせる。バネ下のアタックやノイズの入りっぷりも半端ではない。マウント類もビシビシに締め上げられているだろう、微振動もあちこちから伝わってくる。 これでサーキットに行かないのは人もクルマも生殺しだよなあと、そこで思い出したのは80年代のレーサー・レプリカと呼ばれていたバイクだ。公道性能など眼中なしで一点の目標のためにすべてをかなぐり捨てる、このクルマからはそんな鬼気迫るオーラがビシビシ発せられている。オーナーに求められるのは進んで護摩行に臨むような気概だ。一見さんが迂闊に手を出してはならないものだと思う。 写真=小林俊樹(メイン)/茂呂幸正(サブ) (ENGINE2024年4月号)
ENGINE編集部
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