ア・リーグMVP最終候補にジャッジ&ソト!チームメート同士の「ワンツー」なら今世紀初…前回は「犬猿の仲」の2人
◆ MVPは現地時間21日に発表 現地時間11日、MLB機構がア・リーグのMVP最終候補者を発表。リーグ優勝を果たしたヤンキースからアーロン・ジャッジとフアン・ソトの2人、そして地区シリーズでヤンキースに敗れたロイヤルズからボビー・ウィットJr.の計3選手が選出された。 ただMVP争いはジャッジの1強ムードだ。レギュラーシーズン158試合で、打率.322、58本塁打、144打点の圧倒的な成績を収めており、満票受賞となる可能性が高い。 その一方でジャッジに次ぐ2位争いは、ソトとウィットJr.がほぼ互角の成績を残した。ただ守備面の貢献度を加味すれば、遊撃手のウィットJr.がやや有利か。ただ、もしソトがジャッジに次ぐ票を集めていれば、チームメート同士のワンツーということになる。 振り返れば、昨年は両リーグのMVP最終候補にチームメートの名前が並んでいた。 ア・リーグは、レンジャーズのコリー・シーガーとマーカス・セミエンがファイナリスト入りした。ただし、2人は満票受賞を果たした大谷翔平(当時エンゼルス)の前に2~3位に終わっている。 さらにナ・リーグではドジャースのムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンが最終候補に名を連ねていたが、「41本塁打&73盗塁」をマークしたロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)の後塵を拝している。 昨年に限らず、1位&3位や2位&3位は頻繁にあるが、ワンツー決着となるとありそうでなかなかない。実は今世紀に入ってからは一度もなく、直近は20世紀最後の年となった2000年だった。 2000年といえば、ヤンキースとメッツがワールドシリーズで対決。“サブウェイシリーズ”と呼ばれ大いに盛り上がった。世界一に輝いたのは、デレク・ジーターやマリアノ・リベラなどスター選手の宝庫だったヤンキースだったが、MVP投票でワンツーを決めたのはナ・リーグのジャイアンツに所属する2人だった。 その年のジャイアンツはポストシーズン初戦の地区シリーズでワイルドカードに滑り込んだメッツにあえなく敗戦。しかし、レギュラーシーズンでは両リーグ最多の97勝を挙げていた。 破壊力抜群のジャイアンツ打線で主軸を務めていたのは、史上最強スラッガーのバリー・ボンズ。その年は143試合に出場して、打率.306、49本塁打、106打点の成績を残した。 ただし、MVPに輝いたのは主に3番ボンズの直後を担ったジェフ・ケントである。ケントは159試合に出場し、打率.334、33本塁打、125打点をマーク。勝負強い打撃が評価され、次点のボンズに大差をつけての受賞だった。 その年のボンズとケントはリーグ屈指の“ワンツーパンチ”だったことは間違いないが、2人は犬猿の仲だったことでも有名だ。2002年にはベンチ内で激しく言い争い、“パンチ”の応酬に発展しそうな2人の姿をカメラが捉えたこともあった。 あれから20数年。ジャッジとソトが24年ぶりとなるワンツーを決めるのか。最終的なMVPは21日に発表される。 文=八木遊(やぎ・ゆう)
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