和歌山「露出多めダンサー余興」報道の背景にあるドロドロした権力争い
林氏と河村氏の公認争いが重なる
自民党の大物参院議員の衆院へのくら替えをめぐってしばしば語られるのは、林芳正官房長官と河村建夫元官房長官による公認争いのケースだ。和歌山県と同様、林氏の地元・山口県も衆院の小選挙区が1減って3になることが決まっている中で、前回(2021年12月)の総選挙が行われた。 「林氏はこの年の7月に総理総裁を目指すとして山口3区にくら替えを表明。3区には河村氏が現職としており、河村氏も“現職優先”と譲る気はありませんでした。が、菅義偉首相が退陣して岸田政権が生まれ、二階氏も幹事長を交代するなどして風向きが変わり、結局、地元から“林氏を公認に”という声が圧倒的になりました」(同) 保守分裂選挙を回避すべく河村氏は引退。その見返りとして後継者の子息を比例中国ブロックで優遇してもらう算段だったが、その目論見は外れ、子息は比例北関東ブロックに回された挙句、優遇措置も得られず落選。次期衆院選では維新公認で東京6区から出馬予定だ。 「河村氏が早い段階で林氏と衆参でスイッチするなどの判断をしていれば、子息もその後の参院選でバッヂをつけられた可能性は高いはず。和歌山も同様で、いずれ世耕王国になることを前提にすれば、二階氏が選挙区のことでゴネすぎるのは得策ではないとの声が大きいですね」(同) 発端の余興自体、不適切なものに違いないが、それに乗じるようにして主導権争いが展開されているということなのだろう。ダンサーや権力争いに向ける情熱を、本業の政治に向けて欲しいというのはかなわぬ願いなのか。 デイリー新潮編集部
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