「避難所に行きたくても行けない」能登半島地震で自宅避難の高齢者 民生委員が感じる課題とは…
北陸放送
高齢化や過疎化が進む奥能登では、交通手段がないことで避難所との行き来ができず自宅で生活を続けている人もいます。行政の目が届きにくい避難所以外の場所で生活する人へのケアも、いま課題のひとつです。 【写真を見る】「避難所に行きたくても行けない」能登半島地震で自宅避難の高齢者 民生委員が感じる課題とは… 民生委員 中玲子さん 「救援物資が少なくなってきているので、お届けしようかなと思っています」 石川県能登町で民生委員を務める中玲子さん。およそ70世帯が暮らす町内3つの地区を震災後から見回り、支援物資の配布や高齢者からの相談に応じるなどの活動を続けています。中さんは、中ノ又地区上町に住む高齢の女性の自宅に向かいました。 民生委員 中玲子さん 「お味噌汁と…」 竹中みどりさん 「1か月分。たっぷりあるがいね」 この家に1人で暮らす竹中みどりさん(87)。震災で壁が一部はがれるなどの被害がありましたが、避難所には行かず自宅で生活を続けています。停電は解消されていますが断水は続いていて、ためた山水を生活用水として使っています。 竹中みどりさん 「避難所に行きたくても行けない。車を頼んでも行けない」 中さんによりますと、担当地域のおよそ70世帯のうち、高齢者の1人暮らし世帯は11世帯。避難所は狭く満員状態で、調整にあたる人がいないなどの理由から震災後も自宅で過ごす人が多く、行政による支援は行き届いていません。 中玲子さん 「避難所は劣悪な環境で。行政の入り込む余地もないので動いて話をしてきている。1人暮らしは1人で大変だし、家族の人は家族分の水とかを確保しないといけないし」 竹中みどりさん 「ビニールを張ってもらっている。風が入るから」 行政の目が届きにくい場所で生活する人をどうケアしていくか。幅広くきめ細やかな支援がこれから先求められます。
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