“キューバの至宝”グリエルがもたらす効果とは
横浜DeNAベイスターズに新加入した“キューバの至宝”、グリエル内野手が、8日楽天戦で鮮烈な日本デビューを果たした。「3番・三塁」で登場すると、3安打猛打賞の活躍でチームの逆転勝利に貢献。守備面でも落ち着いたボールさばきで味方に安心感を与えると同時に、一塁送球時に披露した持ち前の強肩でもファンを魅了した。キューバからやってきた正真正銘のスターの登場によって今後チームにもたらされるであろう “グリエル効果”を検証してみたい。
■チーム内競争が激化!! もっとも大きな影響は、チーム内競争の激化だろう。表1は、グリエル加入前後のスタメンをポジション別にまとめたもの。現在は交流戦 セ・リーグ主催試合ということで、DH制(指名打者制)が採用されている関係上、グリエル加入による影響はないが、DHがなくなるとどうだろうか。走攻守すべてにおいて超一流なグリエルの主戦場は、二塁、三塁、遊撃。うかうかしていられないのが、二塁・石川、三塁・バルディリス、遊撃・山崎の3選手だ。加入後から報道等でも取り上げられていたように、石川は外野へのコンバートが有力で、バルディリス、山崎もベンチへ追いやられる可能性が高い。ブランコが不調となればバルディリスの一塁起用も考えられるが、現状では誰かが影響を受けることは間違いなく、石川の外野コンバートとなれば、現外野陣も安泰ではない。 ■スタメン死守に燃える山崎 グリエル加入が発表された5月13日を境にしたスタメン選手の成績推移をまとめたものが表2となっている。成績は開幕から同13日までと、同14日から6月8日までのもの。影響が顕著に表れているのが先述した石川、山崎に荒波を加えた3選手で、中でも山崎にとっては、グリエルが遊撃に回ってくる可能性は低いとは言え、白埼との正遊撃手争いを一歩リードしたばかり。脱ユーティリティープレーヤーのためにも、負けられないスタメン争いとなる。