「EV墓場」が米国にも出現? ネット上でテスラ新車の“屋外放置”画像が話題、販売低迷がもたらした新たな辛らつな光景とは
急増する在庫問題
2024年4月2日、テスラは2024年第1四半期の販売台数が38万6810台で、前四期比20%減、前年同期比9%減であったと発表した。 【画像】えっ…! これが中国の「EV墓場」です(計10枚) 各メディアは、アナリストが同期の販売台数を45万台程度と予測していたことから、この傾向は電気自動車(EV)需要の軟化を示していると報じた。最近、EV販売の減速傾向は世界的に広がっており、テスラも例外ではなく、販売の減速に直面している。 テスラの決算によると、同期間の生産台数から販売台数を差し引いた納車前EV台数は初めて4万台を超え、4万6561台となった。これは生産台数の10%程度だが、2023年度は2~4%程度だったので、納車に至らなかった在庫が急増していることがわかる。 この急激な在庫増にテスラが苦慮している証拠に、大量のテスラEVが放置されているというユーチューブやSNSへの投稿が相次ぎ、注目を集めている。中国で増え続ける“EV墓場”のような光景だが、米国でも新たに“EV墓場”が出現するのか、その真相を探ってみた。
大量放置されるテスラEV
最近、米国のSNSユーザーから頻繁に投稿されている内容によると、テスラのEV生産工場やサービスセンター付近に大量のテスラEVが放置されており、そうした光景の写真や動画がSNS上で拡散している。 EVの販売台数が減少するなか、生産されたものの行き場を失った大量の新車が屋根のない駐車場に放置されている光景は、中国で話題となった“EV墓場”を彷彿とさせる。現場を目の当たりにした人にとっては、異常な光景に映るに違いない。 SNSへの投稿には、具体的な場所や場所も書かれている。例えば、ミズーリ州セントルイス郊外では、チェスターフィールド・モールという閉鎖されたショッピングモールの駐車場に、約400台のテスラEVが放置されている(このうち58台がサイバートラックであることが確認されているようだ)。この場所から約2.5マイル(約4km)離れた場所にテスラのサービスセンターがあるようだ。 また、ニュージャージー州ローレンスビルのショッピングモールや、バージニア州リッチモンドの団地の駐車場などでも、大量のテスラEVが放置されているという報告が相次いでいる。 驚くべきことに、こうした光景は米国外でも確認されている。ドイツの有力紙『ベルリン・ツァイトゥング』によると、テスラ・ギガファクトリーから約37マイル(約60km)離れたベルリン郊外の旧東ドイツ空軍施設があった場所に、大量のテスラEVが放置されているという。 この施設には約5000台の車両を保管するのに十分なスペースがあり、衛星分析によると、テスラ・ギガファクトリーとこの施設の間を1時間に約40台のトレーラーが移動していたことが確認されている。また、トレーラーは1日に300~400回往復しており、テスラ工場で余剰在庫となったEVが数十km離れた空き地に放置されていたと報じられている。