DeNA新加入の長距離砲に、他球団から「吉田正尚と重なる」高評価が
よきお手本となる先輩
同じ野手でプロ入りしたチームメートのドラフト1位・度会隆輝に注目が集まるが、プロは結果がすべての世界だ。良きお手本となるのが、首位打者に2度輝くなど球界を代表する安打製造機として知られる宮崎敏郎だろう。井上と同様にドラフト6位で入団した当時は目立つ存在ではなかったが、プロ入り後に卓越したバットコントロールとパンチ力で三塁の定位置をつかんだ。シーズン打率3割を6度マークし、昨季は打率.326と2度目の首位打者を獲得。35歳とベテランの域に入ったが、衰えはまったく見られない。 広角に安打を量産する打撃技術について、昨年6月に週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っている。 「打つ方向を選択できることが必要だと思うんですよね。困ったときにはこっちに打つとか、対応できる幅を広げたり、引き出しを増やしたりすることなのかなと」 「ただ特に意識して、均等に打ち分けようとしているわけではないんです。とにかく気をつけているのは、自分のスイングの中で、ボールに対して強引にならないようにすること。ベース板を通るボールに対して、外の球を引っ張るとかはないようにしていますね。もちろん、そういうケースも出てくることはありますけど」 DeNAに入団時は中村紀洋、その後はアーロム・バルディリスが三塁を守っていたため一軍定着できなかったが、レギュラーが空白になった16年に熾烈な競争の中で結果を残し、スター選手への階段を駆け上がった。井上も存在価値を証明するには、グラウンド上でアピールし続けるしかない。ハングリー精神にあふれた男は、今月23日に24歳の誕生日を迎える。人生最高の1年にするための挑戦が始まる。 写真=BBM
週刊ベースボール