将来的なラグビー版クラブW杯への第一歩! 日本勢とNZ勢がクロスボーダーで激突!!
今季の『NTTジャパンラグビー リーグワン』は見どころ満載である。全国各地で『ラグビーワールドカップ(RWC)2023』優勝・南アフリカ代表と準優勝・ニュージーランド代表などのスタープレーヤーがズラリと揃い、スタンドを沸かしている。大物の外国人選手だけではない。日本代表の面々や桜のジャージを目指す若い才能が海外の大物に食らい付き、高いインテンシティのゲームを披露。各チームの戦力が拮抗し、好ゲームを展開している。東芝ブレイブルーパス東京のリーチ マイケル主将曰く「『リーグワン』はキツイ。毎試合キツイ。5%自分たちのパフォーマンスを下げたら勝てない。100%出さないと勝てない。でも試合をやっていて、本当に楽しい」とのこと。事実過去2シーズンよりも1トライ1ゴール差の7点差以内の接戦が増加傾向にある。 【全ての写真】埼玉ワイルドナイツのディラン・ライリー 『NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24』はここまで第6節を消化。『NTTリーグワン2022』王者・埼玉ワイルドナイツとともにFLシャノン・フリゼル&SO・リッチー・モウンガというNZ代表が加入したBL東京が全勝をキープしている。3位東京サンゴリアス、4位横浜キヤノンイーグルスと昨季4強が続き、静岡ブルーレヴズ、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、コベルコ神戸スティーラーズ、トヨタヴェルブリッツが3勝3敗から中盤戦での巻き返しに向けて虎視眈々。昨季覇者・S東京ベイが勝率5割に甘んじるほど高いレベルの戦いを繰り広げているのだ。 第7節は2月17日(土)。この1か月弱の中断期間に今季の目玉のイベントがスタートする。南半球ラグビー最高峰の『スーパーラグビー(SR)・パシフィック』に参加するニュージーランドの2チームを昨季の4強が迎え撃つ『THE CROSS-BORDER RUGBY 2024』が実施されるのだ。今回は『SRパシフィック』の開幕前と『NTTリーグワン』のシーズン中に行われる交流戦となるが、将来的にはチャンピオンシップを決める大会としての開催を目指すという。『SRパシフィック』2位・ギャラガー・チーフス&3位ブルーズと『NTTリーグワン2022-23』1位・S東京ベイ、2位・埼玉WK、3位・横浜E、4位・東京SGがラグビー版『クラブワールドカップ』への扉を開くのだ。 ジャパンラグビー リーグワン(JRLO)玉塚元一理事長も「これはリーグ発足当初から計画していた世界トップレベルのクラブチームとリーグワンチームの試合の実現であり、今後の世界のクラブラグビーとの交流や対戦に向けた記念すべき第一歩。JRLOの存在と価値を広く世界へ打ち出すチャンスと捉え、将来的な大会拡大も視野に、素晴らしい大会となるよう準備を進めいく」とキッパリ。 昨季MVPの立川理道(S東京ベイ)は開幕前、『クロスボーダーラグビー』への期待をこのように口にした。 立川「相手も自分たちもどういうメンバーになるかわからないが、チームにとってはいい経験になると思うし、出る選手にはいい経験になると思う。シーズンが始まってケガもあるだろうし、どういうメンバーで戦えるのかという面もあり難しい日程でもあるが、いい経験はできると思うのでポジティブに思っている。『SR』のチームとの試合はなかなかできることでないので、本当にいい経験になると思う」 ブラックラムズ東京戦でプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に選出されたWTB根塚洸雅(S東京ベイ)の言葉はもっとストレートだ。 「ここにきて連勝できたから、『クロスボーダー』に向けていい準備ができたのではと思う。まだ出られるかどうかわからないが、個人的に昔から見ていたチーム(チーフス)と試合ができるのは楽しみ。海外のトップチームだと日本では経験できないようなプレーを経験できると思うので、それは自分にとってもめちゃくちゃプラスなことだと思うので、シンプルに出たい」 かつてクルセイダーズを率いたロビー・ディーンズ監督(埼玉WK)もチーフスとの対戦を歓迎した。 「非常に価値があり、ユニークな機会。自分たちにとって、あくまで『リーグワン』が最優先事項だが、ラグビー界にとって大事なゲームなので、選手たちのコンディションを確認して、いい競争ができるようメンバーを選んでいきたい。多くのラグビーファンにスタジアムへ来てもらえればと思っている」 ブルーズを迎え撃つ横浜Eの指揮官と主将はこう意気込みを語った。 沢木敬介監督「『クロスボーダー』は(ケガ人が多く)メンバーを選んでいる状態ではない。登録人数は通常よりも多めになると聞いているので、全員を使いながら戦いたい。(第7節)BL東京戦に向けて弾みが付くような試合をしたい。ただケガが一番怖いので、そのへんのリスクをどう考えるか。選手たちはもちろんやりたい気持ちが強いが、そこは難しい」 CTB梶村祐介主将「『クロスボーダー』があるが、仮に『クロスボーダー』がなくても、そのタイミングで練習試合が入っていると思うので、試合があろうがなかろうが、選手のモチベーションは変わらない。(中断明けの第7節)BL東京戦からは連戦が続くので、チームとしてはいいスタートを切れるように準備していきたい」 チーフスとブルーズの両経営最高責任者もポジティブなコメントを寄せた。 サイモン・グラフィスCEO(チーフス)「ブルーズとともに、ニュージーランドのSRのスタイルを披露する機会を得ることができると思っている。今回の『クロスボーダー』が、日本でのファン層の拡大に役立つことを願っているし、選手やスタッフにとっても特別な経験になるだろう。ニュージーランドのSRクラブと日本ラグビーフットボール協会(JRFU)、そしてJRLO との関係を深め、毎年試合を行うことを検討している」 アンドリュー・ホアCEO(ブルーズ)「これはエキサイティングなパートナーシップの始まりであり、SRを再活性化するための大きな戦略の一つでもある。 グローバルなクラブ間のつながりは非常に重要であり、この『クロスボーダー』は、日本での自分たちの存在価値を高めるだけでなく、ファンは世界中のラグビーやそのプレースタイルを比較することが可能になる」