「トランプ有罪」米大統領選挙へ負わされる“ビハインド”、負のイメージだけではない選挙活動への制約
〈今後の量刑言い渡し〉
・ニューヨーク州刑法によると、刑事事件で有罪となった場合、罪状1項目につき、罰金5000ドル以下または4年以下の刑期が課せられることになっており、トランプ被告の場合、34項目すべての罪状で「有罪」となったことで、理論上、最高で罰金17万ドルまたは合計136年の刑期を負わされる。 ・しかし、トランプ被告は「初犯」であり、情状酌量の余地があるとの見方も多く、担当判事はそれより軽い量刑で妥協する可能性がある。 ・ただ、トランプ被告は今回の公判中も、法廷内外で何度も判事やその家族を口汚く罵倒する発言を繰り返し、判事から法律に基づき「口封じ命令」が出されるなど、心証を悪くしているだけに予断を許さない。また、担当判事はかねてから『貴賤を問わず万人が法の下で平等な扱いを受ける』との信念を貫いてきた厳格主義者としても知られるだけに、何年かの実刑をトランプ前大統領に言い渡す可能性も否定できない。 ・結果的に刑期を免れたとしても、最低でも自宅外での行動が制限される「保護観察処分」となる可能性が高い。
〈選挙活動の大幅制約〉
・トランプ被告は今回の裁判結果を不服として近く、控訴するとみられるが、今回の裁判は、“国民の代表”としての陪審員裁判であるだけに、結果が覆される可能性は少なく、また、控訴審の結審までには、最低でも1年以上はかかるとみられる。 ・控訴しても、何らかの刑が言い渡される7月11日以降、刑に服することを義務付けられるため、自宅外での日常の行動や生活に制限が加えられることになる。 ・7月15日からウィスコンシン州ミルウォーキーで開催される全国共和党大会でトランプ氏が同党大統領候補として正式指名されることになっているが、「史上初の重罪犯罪人大統領」としてどのようなかたちで登壇し、指名受諾演説を行うのか不透明な部分が多い。 ・その後、投票日までの選挙期間中、各地での遊説や集会出席も制限を余儀なくされる。