「山梨で大量ブドウ狩り」日本で”脱税”する中国人が爆増中…行われていた「驚愕の手口」
増加した在日中国人の生活はブラックボックスに
82万人を超える在日中国人。その人口の多さから、日々存在感が高まっており、とくに東京では、経済的に裕福な人が増えている。昼間は会社員として安定的に仕事をしながら、副業で稼いだり、自宅以外に複数の不動産を所有し、家賃収入でリッチな生活を送っている人も珍しくない。 【衝撃写真】中国人が「路上排便」する瞬間 彼らは、この82万人という「日本のなかの中国市場」をマーケットに独自の経済圏を築き上げ、ときには、中国から来日した人々もターゲットとして、中国語でビジネスをしている。そのため、同じ職場にいたり、すぐ近所に住んで、会話したりしているのに、日本人の目には、彼らが「ホントのところ」何をやっているのかがわかりにくい。場所はこの「日本」での経済行為なのだが、言語の問題もあり、日本人が介在する隙間はわずかしかないからだ。 それを可能にした背景にあるのは、中国のSNS、ウィーチャット(微信)だ。ウィーチャットは2011年に中国でスタートしたメッセージアプリだが、2014~2015年頃から猛烈な勢いで広まった。当初、日本では「中国版LINE」と紹介されることがあったが、実際はさまざまなことができるメディアであり、非常に便利なツールだ。 個人間やグループ内でのメッセージのやりとりのほか、通話したり、ビデオのように映像で会話したりもできる。日本人の利用者は、ほぼ、中国人の配偶者がいたり、中国ビジネスを生業にしている関係者だけであり、限定的だ。 その人々の中でも、1日中ウィーチャットを見ている人は少ない。そのため、彼らの動きが把握できず、「彼らのことがよくわからない」という現象が起きる。あるいは、そもそも、日本に住む彼らが何をやっているのかについて、関心がない日本人も多い。
税金を納めずに大量の物品を売買する
ウィーチャットには企業や個人、政府、自治体が運営する公式アカウントもあり、それをフォローすると、商品などの情報や公的発表を受け取ることができる。ほかに、ウィーチャットペイというお金の送受信ができる決済機能もある。この機能により、ビジネスでの利用が爆発的に増えた。ウィーチャットペイが中国人の経済活動に変革を起こした、といっても過言ではない。 私の著書「日本のなかの中国」でも紹介したが、ほとんどの在日中国人もこのウィーチャットを駆使して、生活している。在日中国人の経済圏に関することでいえば、関東近郊に広大な畑を持ち、そこで空心菜などの中国野菜や果物を栽培して、ウィーチャットグループに商品の写真や価格を紹介すると、すぐに個人客が買う。 ガチ中華料理店と契約して、大量に卸すこともある。中古車の販売や修理も、ウィーチャットグループで宣伝すれば、在日中国人の顧客がつく。日本語を話す必要はない上に、店舗を構える必要も、あくせく日本人に営業する必要もない。そこに必ず登場するのは、ウィーチャットペイだ。 日本でウィーチャットアプリをダウンロードすると、日本版には決済機能がついていないケースがあるが、中国で同じアプリをダウンロードすると、決済機能がある。そして、中国の銀行口座と紐づけし、そこにお金をプールしておけば、いつでも、どこでもスマホで支払いができ、現金を持つ必要はなくなる。在日中国人もたいてい中国に銀行口座を持っているので、このアプリを使っている。 先日、感心したのは、ある飲食店の経営者だ。私の知人でもあるが、ある日、「明日、山梨県にぶどう狩りに行きます」とウィーチャットにうれしそうに投稿していた。 久しぶりに店を休んで行楽に行くのかなと思ったら、そうではなく、「シャインマスカットを100キロ買ってきます。購入希望者は直接メッセージを下さい」と書いていた。 つまり、行楽を兼ねた副業だ。日本人には、なかなか思いつかない発想なので、その商魂のたくましさに驚いた。 その経営者によると、支払いは、日本のペイペイなどのQRコード決済も選べるが、中国人同士なので、ウィーチャットペイを使用する場合も多いとのこと。だが、ウィーチャットペイを利用して支払う場合は、日本で売り上げを申告しないこともあるのではないか。つまり、日本で仕入れたブドウの販売だが、脱税ができてしまうということだ。 こうした在日中国人に関するトラブルは至るところで起きている。後編『<白タク><大量転売>中国人の「闇バイト」が止まらない…脱税額は数千億円にもなる「驚愕の事実」』で詳しく解説する。
中島 恵(ジャーナリスト)