カドカワ株が4日続伸、ソニーGが買収に向けて協議-関係者
(ブルームバーグ): ソニーグループが買収に向けて協議していることが前日に判明したカドカワの株価が4日続伸の動きになっている。カドカワ株はきのう、報道が伝わるとストップ高まで気配を上げ、前日比23%高の3745円で取引を終えた。
カドカワ株は20日の取引で一時前日比18%高の4410円と、ブルームバーグに記録が残る2014年10月以来の日中高値を付けた。一方、ソニーG株も4日続伸し一時5%高の3084円と、7月11日以来の日中高値を付けた。カドカワの半期報告書によると、ソニーGはすでにカドカワ株の2.1%を保有する。
全世界でヒットしたゲーム「エルデンリング」をはじめ、カドカワはさまざまな知的財産(IP)を保有しており、ゲームや映画事業を手掛けるソニーGとの親和性は高い。ソニーGはカドカワへの資本関係を徐々に強めてきた経緯がある。
2021年にカドカワの第三者割当に応じる形で約50億円を出資。22年にはエルデンリングを開発したカドカワ子会社のフロム・ソフトウエアにソニー・インタラクティブエンタテインメントが出資した。
ソニーGがカドカワと買収を協議していることは、ロイターが先に報じていた。ソニーGの広報担当者はコメントを控えた。カドカワの広報担当者は当社が発表したものではなく、決まった事実はないとした。
アシンメトリック・アドバイザーズの日本株ストラテジストであるアミール・アンヴァルザデ氏は19日、ソニーGがフロム・ソフトウエアを狙っているのは間違いないと指摘していた。
一方、バンダイナムコホールディングス株は、20日の市場で続落の動きになっている。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは19日、バンナムH株の急落について、同社はカドカワと過去に関係を強化していたほか、コンテンツ制作で協力関係もあり、カドカワ買収で影響が出ることへの懸念が連想されたのではないかと指摘した。