「相棒」亀山薫x伊丹憲一、もう一つの名コンビ対談 寺脇康文&川原和久が築く理想の関係性
寺脇康文は「手数が多い」同い年コンビの魅力
川原が寺脇のことを「いろいろすごい。若いです」と褒めると、すぐさま「同い年でしょ」と寺脇が返す。「年の割に若いです。何も考えてないようですごくいろいろ考えているし」と川原が畳みかけると、「考えているようで考えてないよ」と寺脇が笑う。「とにかく、手数(てかず)が多いです。芝居もそうだし、日常的に人に接するときに、よくそんなにいっぱい方法を持っているなと思います」と川原は感嘆していた。 寺脇がseason21で復帰が決まったときに川原に電話をしたエピソードは、season22の際にシネマトゥデイが実施した川原のインタビューでも語られていたが、川原のテンションがとても低かったと寺脇は証言する。「あのとき寝てた?」と寺脇が問うと、「寝てないよ」と川原が苦笑する。「俺が戻るんで、また面白いコトやろうね」と語ったという寺脇の言葉通り、2人の楽しいやりとりは以降、随所にみられるが、飲みに行くなどプライベートの付き合いは、いま、ほとんどないのだという。
「『相棒』は現場でいっぱいしゃべるから。わざわざ飲みに行かなくてもね。まだ世の中が落ち着ききってないから、俺が復帰してからは打ち上げも大々的にはないし」と寺脇は打ち明ける。2人きりで話すよりもみんなで話すことのほうが多いというが、寺脇が北京五輪バレーボールの応援キャスターだったときには、「俺が女子バレー好きだったから、いろいろ教えてもらったりしました。でもそれくらいだよね」と川原は明かした。
薫&伊丹としてやってみたいこと
2人が印象深いシーンは、season1第8話「仮面の告白」での、張り込み中の薫に伊丹がパンを差し入れたやりとり。台本にあった台詞にその場でいろいろプラスしたという。「はじめての2人の交流ですよね。お互い照れながら、気遣っている感じで。お金を払うやりとりとか、落ちぶれてねぇみたいなのは、現場で作ったね」と寺脇。「そういうのを見て、いいなと思った作家さん(脚本家)が(2人のエピソードを)書いてくれて、いまに至るって感じです」と川原。寺脇は「『コイノイタミ』(season21第8話)でも、台本には書いてなくても、薫の伊丹に対する思いは付け加えていました。何やってんだ馬鹿野郎、みたいな感じね」と語っている。 そんな薫と伊丹の関係性を言葉にするのは「なかなか難しいです」と川原。さらに「実際には、ああいう関係性はあんまりないですよ。仲良く喧嘩しなって、そんな体験ある?」と問えば、寺脇は「ないねぇ」と即答。続けて「『トムとジェリー』的な、照れて素直に表現できない可愛らしい人たちってことでしょう? 喧嘩はするけど、いざとなると命がけで守る、みたいな。俺が川に沈んでいるとき、ボートで駆けつけてくれたみたいにさ。あれ、よかったよね」と寺脇は『相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン』での2人のやりとりを例に挙げた。