尹錫悦大統領、支持者扇動・暴動助長…「迅速逮捕」声高まる
裁判所による逮捕状の発行で強制拘引される立場に立たされている尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、官邸外の支持者を扇動し、玉砕闘争の色彩を強めている。尹大統領の「場外扇動」で興奮した支持者による暴動の懸念が高まっていることに伴い、「容疑者尹錫悦」を迅速に逮捕すべきとの声があがっている。 高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が先月31日に裁判所から「刑事訴訟法(第110条、111条)を根拠に捜索を拒否することはできない」と明示された逮捕・捜索令状の発行を受けたことに対し、尹大統領は前日、官邸前のデモ隊に「みなさんと共に、この国を守るために最後まで闘う」との意を表明した。尹大統領側は、2日にはソウル西部地裁に逮捕状の執行に対する異議を申し立てる一方、公捜処と逮捕状の執行のあり方を論議中の警察を標的にしている。尹大統領側のユン・ガプクン弁護士は「公捜処法は公捜処の警察に対する包括的捜査指揮権を規定していない」とし、「万が一、警察機動隊が物理的衝突を防止するための混雑警備活動にとどまらず、公捜処に代わって逮捕、捜索令状の執行に乗り出すならば、職権乱用および公務執行妨害罪の現行犯で警護処はもちろん、あらゆる市民によっても逮捕されうる」と主張した。しかし公捜処法(17条)は、公捜処は警察に「捜査活動の支援などの捜査協力を要請することができる」と規定している。行政手続法(8条)も、人員や装備の不足などの理由で独自の職務遂行が難しい場合に機関同士が支援を要請し合う「行政応援」を規定している。これらの現行法の規定があるにもかかわらず、尹大統領側は虚偽を流布して「警察を現行犯として逮捕せよ」と支持者に対する扇動を強めているわけだ。これに対して警察庁国家捜査本部非常戒厳特別捜査団は、「公捜処との十分な法的検討および協議を通じて、執行過程上、違法性問題が提起されないようにする」と述べている。 ソウル龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の大統領官邸周辺では、緊張が高まっている。この日午前には100人あまりに過ぎなかったデモ隊は、午後に入って1万人(警察による非公式推計)に膨れ上がった。「尹大統領の手紙を読んで夜中の2時に官邸前に来た」という市民(60歳、Jさん)もいた。尹大統領の扇動が実際に効果を上げているわけだ。市民社会団体と政界は「尹大統領を迅速に逮捕し、捜査せよ」と要求した。1500あまりの市民社会団体の連帯組織「尹錫悦即時退陣・社会大改革非常行動」はこの日、漢南洞の官邸前で新年記者会見を行い、「尹錫悦を逮捕せよ」というスローガンを叫んだ。民主社会のための弁護士会の検察警察改革小委の委員長を務めるイ・チャンミン弁護士は、ハンギョレの電話取材に対し、「『市民が警察を逮捕できる』という尹大統領側のメッセージは、暴動や騒擾を引き起こす暗黙の指揮」だとして、「逮捕の窮地に追い込まれて過激な発言をしている。逮捕が至急執行されなければならない」と述べた。共に民主党のパク・チャンデ院内代表はこの日の政策調整会議で、「内乱首魁(しゅかい)の尹錫悦は依然として官邸で過ごしており、反省するどころか内戦を扇動している」とし、「逮捕状を先送りすることなく、本日直ちに内乱首魁の尹錫悦を逮捕せよ」と述べた。 クァク・チンサン、コ・ナリン、チョン・ボンビ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )