引く手あまたの新米だから…1等米 農家への仮渡し金を倍増 JA県経済連、集荷競争激化に対抗…一方で高温障害も散見、2等米8割の地域も
鹿児島県内で普通期の新米の収穫が始まり、各JAは集荷した玄米を抽出して主に見た目で格付けする等級検査を進めている。記録的猛暑となった今年は、粒が白く濁る高温障害が散見されている。食味に問題はないものの、生産者の収入や精米歩留まりに影響しそうだ。 【写真】〈関連〉新米の品質を確認する検査員ら=11日、霧島市隼人
JAあいら(霧島市)は収穫の本格化を前に11日、検査員を集めて米の選別基準を確認する「目ぞろえ会」を開いた。435俵を機械や目視で調べたところ、粒の芯や一部が白濁する白未熟粒が見られ、1等米比率は6%、8割は2等に格付けされた。 ただ、今回検査したのは高温に弱い「ヒノヒカリ」でサンプル数も少ない。農産課の堂園公庸課長(41)は「品質は昨年より下がりそうだが、これから出荷される高温に強いあきほなみに期待したい」と話した。 JA県経済連によると、検査の始まっている北薩などでも高温障害が見られている。2023年産米は新潟など日本海側で高温障害により収量減につながった例もあった。訪日客需要の増加に地震、台風による買いだめも重なり、店頭で米が品薄となった。 JA鹿児島県経済連は、集荷競争の激化が見込まれることや生産資材価格の上昇を考慮し、生産者に支払う24年産普通期米の仮渡し金を、ヒノヒカリ、あきほなみの1等米で前年比約2倍に引き上げた。
南日本新聞 | 鹿児島