日本一の超高層ビル・大阪「あべのハルカス」1周年 ── 関係者らが語るこの1年と課題
ハルカスだけでなく「ターミナル」活性化を
開業1周年を記念し、6~8日の3日間、「あべのハルカス1周年 花咲く誕生祭」と題したイベントを行う。高さ300メートルにちなんだ300個の「オリジナルバースデーケーキ」を披露したり、イベント期間中は地域とも連携し、300個のバースデーケーキと300本の賞品が当たる「バースデーカードラリー」を実施する。 「バースデーケーキはハルカス1周年と言うことで、300個のケーキを作りまして、それを3日間、展示する。展示ができる素材で作るケーキなんですが、それとは別に300個の食用のケーキを用意します。これはカードラリーと言いまして、エリアをいくつか分け、その商店街さんでお買い物をして頂くと、抽選に参加できる権利を得られるというものです」(能美課長) 百貨店だけでなく、ハルカス周辺の商店街や新宿ごちそうビル、キューズモール、アポロビルなどの商業施設で買い物をしてラリーに参加する。「グランドオープンの時も街巡りカードラリーというのをやりました。街をいろいろと回って頂こうというのが狙い。メッセージ付きのパインアメを配ったりしてアピールしています」ファミリーコンサートや地元の幼稚園児を招いて「ハッピーバースデー」を歌ってもらうなど、イベント内容も多岐にわたる。 能美課長は「ハルカスだけでどうこうと言うのではなくて、ターミナルを活性化させていきたい」と意気込みをみせる。ハルカスだけでは、やがて限界がくる。エリア全体を盛り上げることで、自然とハルカスも盛り上がる。今後の課題としては「エリア全体」の活性化を目指すとともに、計画的に「にぎわい」を作り、イベントを継続してやっていくことがカギだという。
1周年に地元住民の反応は? 通天閣「ともに盛り上げたい」
周辺地域住民からも「もう1周年なのか」という声が多く聞かれる。ハルカスのそばにある飲食店店主は「ハルカスが出来てから、従業員の人らが毎日ランチを食べにきてくれるようになった。もちろん昔もそうだったかもしれないが、明らかにウチのお客さんが増えた。いや、ほかの店も同じ。だから、これからも互いに盛り上がっていきたい」と話す。 また、近くに住むという主婦(32)は「ハルカスが出来るから近くにある新築マンションに引っ越してきた。だから、もう思い入れもあって。元々住んでいる方に聞くと、一気に若い住民も増えたそうやし。なんか新しいものを一緒に作っていける感覚がうれしいですね」と話していた。 一方ハルカスとは近所で「展望台」の良きライバルにもあたる、なにわのシンボル「通天閣」の高井隆光副社長は「初年度というのはぎょうさん人が来る時ですが、次年度からは大変。通天閣は次年度からは初年度を超えることはなかったんですが、ハルカスさんはPRや情報発信に努めてはりますね」と話す。 また「おめでとうという気持ちもあるし、新しいランドマークであるハルカスさんと、歴史が深い通天閣とで、今後も『あべの』『天王寺』『新世界』を結ぶ『ゴールデンベルト』をともに盛り上げていきたいですね」と力強く語った。 2年目の「あべのハルカス」がどのように進み地元エリアをはじめ、大阪を盛り上げていくのか。今後の動きが注目される。 (文責/フリーライター・北代靖典)