「大変な努力をしている」国産竹箸メーカー、ヤマチクのブランドが名品コンテスト世界大会で特別賞 熊本
国産竹箸メーカーのヤマチク(熊本県南関町)のブランド「okaeri(おかえり)」が、名品コンテスト「にっぽんの宝物」の世界大会で特別賞に選ばれた。山崎彰悟社長(35)が14日、木村敬知事に受賞を報告した。山崎社長は「使い心地だけでなく竹の箸にこだわる思いも評価してくれた」と、箸の原点とされる竹箸に国際舞台で光が当たったことへの手応えを語った。 (宮上良二) 【写真】特別賞を受賞した竹箸「okaeri」 ヤマチクは創業から61年間、竹の箸だけを生産してきた。okaeriは2019年、相手先ブランドの生産(OEM)がほとんどだった同社が、初めて取り組んだ自社ブランドだ。当時、専務だった山崎さんが日本の箸文化の原点回帰を目指して企画した。 箸の上部はソフトな手触りになるよう丸く、下部は転がりにくいよう四角に成形。箸先は小さな食材もつまめるよう細く仕上げた。 子どもから大人まで、手の大きさに合わせて選べるように、長さと上部の太さが異なる5種類をそろえている。箸を収める八角柱の紙製容器は「竹取物語」をモチーフにしたという。 コロナ禍を経て5年ぶりとなった世界大会は8月にシンガポールで開かれ、19~23年度の「にっぽんの宝物」全国大会で上位入賞した製品が出品された。主催者によると、okaeriは「完成度が高く、日本の伝統を守ろうと大変な努力をしている」と審査員から評価されたという。 同社がokaeriを機に次々と世に出した自社ブランドは現在、売り上げ全体の7割を占める。韓国や台湾、欧米などへの輸出が増えているという。山崎社長は「竹を切る人や1次加工をする人たちの営みの維持も考えながら、持続可能な竹箸作りを目指したい」と決意を述べた。