ミネラルの宝庫【ひじき】もっと栄養が高まる食材との組み合わせは? 管理栄養士が解説
身近な食材で煮物や炊き込みご飯など日本の食卓で登場するひじきはミネラル類の豊富さから日本古来のスーパーフードと言われています。この記事ではひじきの栄養と栄養価をアップさせる食材の組み合わせをご紹介します。 <写真>ミネラルの宝庫【ひじき】もっと栄養が高まる食材との組み合わせは? 管理栄養士が解説 ■ひじきはミネラルの宝庫 ひじきはミネラルが豊富なことで国産のスーパーフードに分類されています。海藻類は全般的にミネラルが豊富なことで知られていますが、特にカルシウムとカリウムは海藻類の中でもトップクラスの含有量を含みます。他にもマグネシウム、葉酸なども豊富に含まれています。ひじきは収穫後、太陽光に当てて天日干しすることでビタミンDも増えます。カルシウムの吸収にはマグネシウムが欠かせませんが、効果的に働くにはカルシウム:マグネシウム=2:1のバランスで摂ることが必要と言われています。ひじきはカルシウムとマグネシウムのバランスが良く含まれているので、両者を効率よく吸収することができます。 ■ひじきの鉄分が豊富な理由とは ひじきは鉄分が豊富な海藻というイメージをもたれる方もいらっしゃるとは思いますが、実はひじき自体には鉄分はさほど含まれていません。ひじきは収穫後天日干しにして乾燥させ、また水に戻して蒸したり煮たりしてひじきの渋みを抜きます。この時に昔ながらの製法だと鉄窯を使うことが多いようですが、昨今では手入れのしやすさからステンレス製の釜を使用することが多く、鉄窯のものと比較すると鉄分の含有量は大きく下がります。よってひじきの鉄量は鉄窯を使っているか、ステンレス製の窯を使っているかで含有率が大きく変わってきます。 ■ひじきに含まれるヒ素は大丈夫? ひじきに含まれるヒ素は無機ヒ素という毒性の強いヒ素です。しかしこのヒ素は水洗いや水戻しで簡単に減らすことができます。ひじきに含まれるヒ素は主に3つの方法で減らすことができます。 ■■水戻し:30分水に浸し、水洗いする。 5割ほどの無機ヒ素をへらすことができます。 ■■茹で戻し:水から茹でて沸騰後5分茹で、水洗いする。 8割ほどのヒ素を減らすことができます。 ■■茹でこぼし:30分水煮浸した後、水を捨て、お湯から茹でて沸騰後5分茹で、水洗いする。 無機ヒ素を9割ほど減らすことができます。 ■ひじきの栄養を高める!おすすめの×食材 ■■×オイル ひじきは脂肪分が少なく淡白な味なので、ごま油やオリーブオイルなど香りのある油と相性が良いです。また油と一緒に摂ることで吸収力が高まるβカロテンも豊富。ひじきのナムルやサラダなどに最後に油をひと回し。 ■■×アーモンド ひじきは基本水に漬けたり茹でたりと、水にさらすことが必須の食品ですので、水溶性のビタミンを失いやすいです。アーモンドはビタミンもミネラルも多く含み、良質な脂質が含まれます。砕いて使うとカリッとした食感がアクセントになります。 ■■×豚肉 肉類の中でもビタミンB群が豊富な豚肉。ひじきはビタミンB群が乏しいので豚肉と一緒に摂取するとよりバランスが整います。炒め物や煮物など、普段の豚肉料理にひじきをプラスしてみると更に栄養価がアップします。 ■まとめ 身近なスーパーフードとして知られるひじき。使い方を知ると手軽に食卓の栄養バランスもアップします。普段の食事にプラスして使ってみてくださいね。 〈参考文献〉 スーパーフード推奨品目|Superfoods | 一般社団法人 日本スーパーフード協会 PowerPoint プレゼンテーション (maff.go.jp) 日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省 (mext.go.jp) ライター/田中ひろか(管理栄養士)
田中ひろか