『劇場版 忍たま乱太郎』には愛が溢れ過ぎている 熱いファンの期待に応えた完璧なバランス
ファンに“初恋泥棒”と呼ばれる優しくて強い土井先生、無類に腕の立つ謎の軍師・天鬼、健気な一年生の乱太郎、きり丸、しんべヱたち、頼りがいがあるのに土井先生のことになるとあからさまに動揺してしまう六年生たち、いつも落ち着いていて大人らしく振る舞う山田先生、キラキラしているフリー忍者の利吉、不気味なのに人を惹きつける雑渡昆奈門、いつもと様子が違う稗田八方斎と悪いことをしているはずなのになぜか優しいドクタケ忍者隊の面々……。 登場するキャラクターはいずれも魅力的だ。だが、キャラクターの魅力が際立つのは、キャラクターからキャラクターへの愛が描かれたときだ。その深い関係性を描くことが本作の主眼だと言っていいだろう。 特に中心になっているのが、土井先生ときり丸の関係である。それぞれが悲しい過去を持ち、天涯孤独の身の上である二人は、土井先生がきり丸の保護者代わりになって世話をしていた。いつもひょうひょうとしているきり丸だが、最も強く土井先生を求めているのはきり丸だろう。二人の生活についてはTVシリーズの「土井先生ときり丸の段」「一緒に帰るの段」で詳しく描かれている。土井先生の過去は「若い人の段」で描かれていた。ちなみに土井先生とフリーの忍者・利吉の関係もファンの注目を集めている。 作品にたくさんの愛がこめられているから、ファンも劇場にリピートする形で愛を返している。ふつふつとしていたファンたちの熱に着火した『最強の軍師』。この熱はしばらく収まりそうにない。 参照 ※ https://mantan-web.jp/article/20241226dog00m200021000c.html
大山くまお