年末年始笑顔で過ごして 長野県松本でこども食堂 市民新たな年の平穏願う
元日の能登半島地震で幕を開けた令和6年がもうすぐ終わる。地震、猛暑、豪雨と今年も各地が災害や異常気象に見舞われ、先の見えない物価高騰が家計を圧迫した。国外に目を転じればウクライナやパレスチナなどで、命や暮らしを脅かす戦禍が絶え間なく続いた。新たな年は郷土も世界も平穏に―。30日に松本市内で開かれた「年越しこども食堂」では、切なる願いが市民から聞かれた。 長野県松本市の島内公民館を会場に開かれる年末恒例のこども食堂で、市内のNPO法人ホットライン信州が主催、信州こども食堂ネットワークが協力した。「年末年始を笑顔で過ごして」と約150の個人・団体から寄せられた生活物資や米、野菜、衣類などを無償で配ったほか、地元の島内東方そば会同志会が朝から打った100食余の年越しそばを手渡したり温かいうどんを振る舞ったりした。 来場した市内の齋藤優菜さん(36)は4人の子供を育てる母親だ。「本当に助かる。物価高に振り回された一年だった」と語り、景気が上向くことを願った。ボランティアで綿あめを作った市内のエクセラン高校2年・小林沙姫さん(17)は震災や戦争を念頭に「無事年末を迎えるありがたさを感じる。安心できる一年であってほしい」と話した。 会場では物価高に苦しむ家庭向けの生活相談や、防災の啓発を兼ねた水や菓子の配布もあった。ホットライン信州の青木正照専務理事(75)は「社会情勢が混沌とし、社会のひずみが弱い人に集中している。来年も必要とする人たちを支えたい」と話した。東方そば会同志会の田力和典さん(65)は「100食のそばを打つのも一人ではできない」とし「大勢が集まれば、できないこともできるようになる。皆で力を合わせて、いい一年を送れるように」と願っていた。
株式会社 市民タイムス