元本割れのリスクも…〈教育費〉や〈住宅購入〉の資金のために「新NISA」を活用する人が必ず知っておきたい「運用期間」の最適解【日経新聞記者が解説】
NISAで教育資金を備える注意点
実際にNISAで教育資金を貯める注意点について先ほどもお話ししましたが、大事なので繰り返します。ひとつは生活費の半年~1年程度とされる生活防衛資金のほかに、元本割れしたときにNISA資金を使わなくてすむよう、預貯金をなるべく多く用意しておく必要性です。例えば、世界株では15年の積み立てでも、集計した全404期間のうち元本割れだった期間は19期間(5%)あり、最も成績の悪かった2009年2月までの15年では、資産は累計投資額に比べ2割の損失でした。 逆に言えば、生活防衛資金以外で教育資金などに備える預貯金を別途用意できる場合は、もし運用がうまくいかなければその預貯金を使えばいいので、それ以外のお金は世界株100%で思い切って運用してよいことになります。 もうひとつのポイントは、利益確定です。長期の運用期間がとれる老後資金づくりなら、積み立て投資の継続が大原則です。しかし教育・住宅資金のように支出目標額が決まっている場合は支出額の確保が大事なので、利益確定も選択肢になると考えられます。支出時期の4~5年前以内になったとき運用が好調で目標額に達していれば、利益を確定し預貯金に替えておくことも検討材料になるでしょう。 田村 正之 日本経済新聞社 編集委員
田村 正之
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