米次期政権、EV支援廃止や排ガス規制緩和を計画-移行チームが提言
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領のアドバイザーらは、米自動車業界の再建に向け2方面からのアプローチを提言している。電気自動車(EV)の販売促進を狙った連邦政府による補助金を削減する一方、EVを生産する国内サプライチェーンを強化する内容だ。
トランプ氏は選挙期間中、バイデン政権によるEV推進化策を撤廃すると公約。今回示された提案は、そうした撤廃が国内自動車メーカーやサプライヤーを優先する政策としてどう具現化される可能性があるかを浮き彫りにする。
事情に詳しい複数の関係者やブルームバーグ・ニュースが確認した文書によれば、これらの勧告は、トランプ次期政権が最初の100日間に実施し得る政策変更の概要として記された。一部のイニシアチブは、米国民が運転したり生産したりする車に政府が口を出すべきではないと長年主張する保守派や自由市場主義者、燃料生産者の要望と合致している。
文書や関係者によると、トランプ氏のアドバイザーは、バッテリーや重要鉱物の開発を含め、連邦政府が資金を提供するEVやインフラのプロジェクトについて、環境審査を緩和し、許認可を迅速化するよう勧告している。関係者らは、協議は非公開だとして匿名を条件に語った。
またアドバイザーは、重要鉱物や磁石、バッテリー、産業用制御システム、組み立て装置などEV関連の輸入品に対する関税の拡大を提案しており、プロジェクトは関税拡大から恩恵を受ける可能性もある。
文書によればまた、アドバイザーはEVの消費者需要を高めるための連邦政府による政策の廃止を提言している。これにはプラグイン車種の購入者に対する7500ドル(約115万円)の連邦税控除が含まれる。文書の内容はロイター通信が先に報じた。
このほか、バイデン政権が導入した燃費規制と排ガス規制について、基準を2019年の水準に緩和することも提言。カリフォルニア州による独自の厳格な排ガス規制導入の阻止も勧告している。