テック業界の関心事は「スマホの次は何なのか」 世界のスマホ出荷台数Appleが首位
ジャーナリストの佐々木俊尚が1月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。世界のスマホ出荷台数で首位に立ったAppleについて解説した。
世界のスマホ出荷台数Appleが首位 サムスン13年ぶりに陥落
アメリカの調査会社IDCは1月16日までに、2023年のスマートフォンの世界出荷台数で、米Appleが前年比3.7%増となる2億3460万台となり、首位に立ったと明らかにした。韓国のサムスン電子は13.6%減の2億2660万台となり、13年ぶりに首位の座から陥落した。 飯田)世界的なインフレの影響もあって、トータルでは3.2%減だったそうです。 佐々木)別にAppleが画期的なiPhoneを出したわけではなく、小細工なのですよ。理由の1つは下取りを一生懸命やっていることです。古いiPhoneを下取りに出すと、2年前くらいの機種であれば3~4万円ぐらいで買い取ってくれるのです。あと、日本でも使われているPaidy(ペイディ)という無利子の分割払いが、アプリでも使えます。いままでは信販会社などに書類を書いてハンコを押してと、面倒くさかったではないですか。Paidyであれば、アプリ上だけで24回払いが簡単にできるのです。 飯田)そうなのですね。 佐々木)Apple Storeで買うと楽なのですよ。そういう小細工を行った結果、ジワジワと伸びてサムスンを蹴り落としたのです。
テック業界の関心事は「スマホの次は何なのか」
佐々木)小細工しかできないということは、言い換えればスマホ技術が枯れつつあり、この先は長くないということです。テック業界の関心事は、「スマホの次は何なのか」というところに移っています。いま話題なのは、ChatGPTのような生成AIです。あれがいまスマホで使えるようになっていて、例えばChatGPTのスマホアプリがありますが、音声でやり取りできるのです。アイコンをタップするのではなく、言葉で聞いて言葉で返してもらう。あるいは言葉で聞いて何かをやってもらうような仕組みだから、テキストで入力せず、音声で構わないわけです。 飯田)テキストはいらない。 佐々木)スマホに向かって「エアコンのスイッチを入れて」と言うと、AIがエアコンに命令してスイッチを入れてくれる。そうなると、もはやスマホの形である必要もないのです。スマホはタッチスクリーンがあり、指でタップするからあの形が必要ですが、音声入力するのであれば「そんな形は要らない」という話になります。