路面電車が駅ビル2階“直結” 大変貌遂げる広島駅に高まる期待 60年前にも人々を熱狂させた駅ビル開業 展望大浴場や屋上遊園地も 開業当日や当時の帰省ラッシュ 蒸気機関車の姿も映るフィルム映像から
■路面電車が2階へ直結 巨大な橋桁が駅前の道路をまたぐ 2025年春の開業を目指して建設が進む広島駅の新たな駅ビル。 【画像を見る】展望大浴場や屋上遊園地も1965年「初代駅ビル」開業当日&当時の帰省ラッシュ 蒸気機関車C50や急行「つくし」「つばめ」の列車など 4年前に閉館した旧駅ビルの跡地に地上20階建ての駅ビルが建てられショッピングセンターやホテル、シネコンなどが入ります。新しい商業施設の名前は「minamoa(ミナモア)」と発表されています。「ミナモ(=水面)」「ミナ(=みんな)」「モア(=もっと)」という思いをこめた言葉だそうです。 新駅ビルの開業で商業施設とともに注目されているのが、路面電車が駅ビルの2階に直結するようになることです。新たに「駅前大橋ルート」が設定され地上から駅ビルの2階へ進んでいくための「巨大な橋梁」が駅前の道路をまたぐことになっています。 大変貌を遂げる広島駅に人々の期待は高まっていますが、広島駅に駅ビルが誕生した59年前も多くの市民が期待をよせる場所となっていました。 RCCに残る取材映像から当時のにぎわいの様子を見てみましょう。 ■初代駅ビルは1965年に開業 式典には1000人の市民がお祝いに 原爆にも耐え抜いた駅舎を建て替えて、広島駅が駅ビルの形となったのは1965(昭和40)年12月1日。開業式典には市民およそ1000人が詰めかけました。ブラスバンドの演奏のもと、大きなくす玉が割られお祝いムードがあふれています。 映像には壁面に飾られた彫刻作品を序幕する様子もありました。彫刻家の舟越保武さんが手がけた「牧歌」という作品です。2020年に駅ビルの建て替え工事に伴って廃棄されています。 ■展望大浴場や屋上遊園地も 駅が“楽しむ目的の場所”へと変化 多くの市民でごった返す駅ビルの構内…。 広々とした大浴場につかっている人の姿。開業当時からあった展望の大浴場です。 屋上には遊園地もありました。屋上から南側をみると、駅前大橋があり、今のエールエールA館あたりにあった「廣島百貨店」の文字を見ることもきます。 駅ビルの誕生で、駅は人やモノが行き交う場所だった駅が、そこで憩い楽しむための目的の場所へと変わっていきました。