長く曲がりくねった道の果てにギレス&ポワリエ組が戴冠「これは私たちのキャリアにおける大きなマイルストーン」| ISU四大陸フィギュアスケート選手権2024 アイスダンス レビュー
ゴールドの栄光が、ついに2人の上に降り注いだ。結成13年目。パイパー・ギレス&ポール・ポワリエ組が、長く曲がりくねった道の果てに、ISU国際チャンピオンシップで初めて表彰台の最上段に上がった。
「心から喜びを感じています。これは私たちのキャリアにおける大きなマイルストーンであり、だからこそキャリアのこの時点で、これほど重要な大会で優勝することができたことが誇らしいのです」
金メダルを獲るために、2人は上海にやってきた。そして本人たちの表現を借りれば、「チャンピオンとしての滑り」を披露した。パイポーのパイポーたる所以である、細部までこだわり尽くした創造性たっぷりのプログラムを、確固たる技術と豊かな表現力で演じきった。ポップで軽快なリズムダンスでも、「嵐が丘」の愛憎劇を壮大に描き上げたフリーダンスでも、2位以下にと3点以上の差をつけ悠々と首位の座につくと、トータル214.36点で優勝を決めた。
大きな成功ではあると同時に、ギレス&ポワリエ組にとっては、これは理想的なステップでもある。3月半ばには、母国カナダで、世界選手権が執り行われる。2年連続3度目のメダルを期待されるのはもちろん、地元メディアやファンからは、当然、「金メダルを」の声もあがる。
「母国で世界選手権に開催されることに、興奮しています。優勝目指して一生懸命に努力しよう、そんなやる気に満ちています」
カナダ勢は表彰台の上段2席に立ち、FDに至っては、トップ3を完全に独占した。
金メダルに輝いたギレス&ポワリエ組の横では、来る世界選手権の開催都市であるモントリオールを練習拠点とするローランス・フルニエボドリー&ニコライ・ソレンセン組が、2大会連続の銀メダルを授与された。
決して簡単な状況ではなかったはずだ。大会2週間前に開催されたナショナル選手権さえ、ディフェンディングチャンピオンながら、出場辞退を余儀なくされた。それでも「地元でハードな練習を積んできた」と何度も繰り返したように、丹念にプログラムを磨き上げてきた。
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