パナソニックHD、生成AI関連事業が足元で大きく拡大--「想定を上回る伸び」
パナソニック ホールディングスは10月31日、2024年度第2四半期(2024年7~9月)の連結業績を発表した。オートモーティブとエナジーのセグメントで減収となったが、くらし事業、コネクト、インダストリーのセグメントで販売増と為替換算により、増収増益となった。売上高は前年同期比102%の2兆1296億円、営業利益は同129%の1322億円、税引前利益は同127%の1463億円となった。 パナソニックホールディングス 代表取締役 副社長執行役員 グループ CFOの梅田博和氏は「プラス要因となったのは、インダストリーとエナジーのセグメントで生成AI関連の販売が好調だったこと。マイナス要因は、車載電池における国内生産品の需要減の継続や原材料の価格改定が影響したこと」と解説した。 「足元で大きく成長している事業」(梅田氏)として紹介した生成AI関連は、インダストリーの導電性高分子コンデンサと多層基板材料が市場拡大の波を捉え、売り上げが急拡大した。年間では前年比1.8倍、350億円規模に成長する見込みという。一方、エナジーでは、データセンター向けの蓄電システムが大きく伸長しており、こちらも前年比1.8倍の1000億円を超える規模にまで成長すると予測。「インダストリー、エナジー共に、年間見通しは期初想定を大きく上回る。生成AI関連は今後も成長が期待されるので、その需要をしっかりと取り込むべく、対応を強化する」とした。 重点投資領域と位置づけるエナジーの車載電池は、国内工場における需要の低迷が続く。北米工場の販売数量は増加しているものの、原材料価格低下に伴う価格改定により減販となり減収減益。空質空調は、大気中の熱を集めて温水をつくり、住宅に循環させる暖房システム「Air to Water」(A2W)で減販があったが、売り上げの減少率が第1四半期から改善しているという。 梅田氏は「世界的にEV(電気自動車)の需要が減衰しているが、米国においては静かな増加を続けている。第3四半期以降も電池の供給はあるので、米国の現存している工場はフル稼働させていく。一方、A2Wは、2024年の第1四半期に低下していた売り上げが底を打った。今後は対前年比で見て横ばい程度で推移していくと見ている。2022年度時のような急激な成長はないものの、国別にさまざまな取り組みに着手していく」とした。 2024年度の年間業績見通しは、売上高8兆6000億円(2023年度実績:8兆4964億円)、営業利益3800億円(同:3610億円)と、5月に発表した見通しを据え置いた。