米財務省、日本を為替「監視リスト」に追加-操作国認定は皆無
(ブルームバーグ): 米財務省は20日発表した外国為替報告書で、為替慣行に関する「監視リスト」に日本を追加した。ただ日本や他の貿易相手国・地域を「為替操作国」に認定するには至らなかった。
財務省は、日本が今年、円買い介入に動いたことに言及する一方、むしろ日本の大幅な対米貿易黒字と経常黒字に照準を合わせた。
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半期に一度公表する同報告書で「財務省の期待としては、自由に取引される大規模な為替市場で介入は適切な事前協議を伴う形で極めて例外的な状況に限定されるべきだ」とし、「日本は為替運営の点では透明性がある」と指摘した。
日本以外の監視リスト指定国・地域は昨年11月の前回報告から変更なく、 中国、ドイツ、マレーシア、シンガポール、台湾、ベトナムだった。
日本の財務省の神田真人財務官は21日朝(日本時間)、省内で記者団に対し、監視国の認定は経常黒字などの基準に機械的に照らして評価するものだと指摘。「米政府は日本の為替政策の透明性をポジティブに評価している」とした上で、今後も為替相場に過度な変動があった場合には「適切な対応をしっかりとっていく考えに変化はない」と話した。
為替介入については「基調を変えるためにやっているものではなく、投機などによって過度な変動が起きた時に安定化させるためにやっているもの」とした。
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日本は今年、対ドルで34年ぶりの安値を更新した円の買い支えに月次ベースの介入額として過去最大となる約9兆8000億円を投じた。日米の金利差はなお大きく、円は引き続き下押し圧力を受けている。
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ロード・アベットのポートフォリオマネジャー、リア・トラウブ氏は、財務省の監視リストと操作国認定は形式的なものであり、為替相場が大きく動くことはなさそうだと指摘した。