年金暮らしの80歳父が“終の棲家”探し開始→「とてもじゃないが老人ホームの費用を手助けする余裕は…」不安しかない息子が一転、心の底から感謝したワケ【CFPが解説】
経営が安定している施設の探し方
親の資産・収入がわかったところで、Aさんは「介護付き有料老人ホーム」をいくつかピックアップし、父と見学に行くことにしました。ここで役立ったのが、各自治体が公表している介護施設の情報です。 たとえば、東京都では、福祉保健局のウェブサイト(※)で15のチェック項目を記した適合表を施設ごとに公表しており、都の指針に合わない項目には「不適合」のチェックが入っています。介護施設によっては、介護士不足から入居可能人数が減り、経営難に陥るケースもあります。 (※)東京都福祉保健局のウェブサイト https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shisetsu/gaiyo/osagashi.html 上のウェブサイトでは、財務状況や入居一時金の返還ルールのほか、「前年度1年間の職員の退職者数」や「職員の勤務経験年数」も記載されています。Aさんはこれらの条件を参照しながら、経営が安定している施設をピックアップしていきました。
施設選びでチェックしたい3つのポイント
(1)「重要事項説明書」で経営状態、自治体への届出、一時金のルールなどを確認 無届けで運営した後、経営破綻したホームもあります。介護士不足から入居可能人数が減り、経営難に陥るケースもありました。「重要事項説明書」には、財務状況や入居一時金の返還ルールが記載されていますので、しっかり確認しておきましょう。 (2)スタッフの対応・施設内の雰囲気 施設を見学する際、疑問点や不安に思うことは必ず確認しましょう。その時の対応や職員の話し方、入居者の様子などを見ると、雰囲気がつかめると思います。居室などの生活空間が快適かどうかも大切ですが、食事の内容、行事、サークル活動、レクリエーションなどを親自身が気にいるかどうかもポイントです。 (3)入居・退去の条件 入居すると最期までいられると考えがちですが、実は退去することも考えられます。経営母体が倒産したとき、入居者の暴力行為などが常態化したとき、入居者が病気やケガなどで入院したとき、などが挙げられます。施設によっては、居室を開けた時期が3カ月以上続いたら退去するという「3カ月ルール」を設けている場合があります。
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