＜神・中＞2回、大山は左前打を放つ（撮影・後藤　大輝）

　◇セ・リーグ　阪神7－0中日（2024年4月19日　甲子園） 　【能見篤史　視点】打席の阪神・大山には明らかな変化があった。しっかりと上げていた左足を、ほとんど上げずにすり足に近い形で、相手の投球に対処していた。何か気づくことがあって、変えた打撃が結果につながったと思う。転機となる試合だった。 　足の上げ方を抑えることで、打撃フォームの中で上下動は少なくなるし、タイミングも早めに取ることができるようになった。中堅への1号本塁打を含め、3本の安打は全部直球を捉えたもの。しかも、メヒア、福谷、梅野と球質が微妙に異なる3投手の直球を全方向に打ち分けた。試行錯誤を重ねて見つけたヒントを、ぜひとも大山にはきっかけにしてほしい。4番が打って、得点が入った。打線の相乗効果も期待できると見ている。 　4番が復調し、開幕投手の青柳にも勝ち星がついた試合は今後にもつながる。ランナーを出しながら、青柳も粘りの投球に徹した。打席でも2回の右犠飛、4回の送りバントと外国人投手の少し変化する球に対して、9番としての仕事を果たしたのも大きかった。　（スポニチ本紙評論家）