佐野元春、90年代の名盤『ザ・サークル』の30周年記念エディション発売 収録ライヴ映像より「欲望」先行公開
オリジナルのリリースから30年、佐野元春90年代の名盤『ザ・サークル』の30周年記念エディションが12月18日(水)にリリースされます。 形態は豪華ボックス仕様。オリジナル・アルバムのSACD化(ハイブリッド)に加え、リマスタリングを施したリミックス / レア音源集、音楽ジャーナリストへのインタビュー映像、ミュージック・クリップ集、放送番組映像など、現在入手が困難なマテリアルを多数収録。 特に注目したいのは、全国30都市47公演におよぶ〈ザ・サークル・ツアー〉の最終公演を完全収録した『The Circle Tour Final 武道館ライブ 1994.4.24』。本映像は、当時の映像をアップコンバートして再編集、高画質で新たに生まれ変わった映像と、音源はマルチテープからリミックスし、劇場版マスタリングを施し、伝説のライヴの全容をほぼ完全な形で収録しました。 このツアーの最終公演である東京・日本武道館で、1980年の結成から約14年活動を共にした佐野元春とザ・ハートランドは、最後のステージを迎えることになります。ロック・ライヴ史に残る解散コンサート、佐野元春 with ザ・ハートランド〈The Circle Tour Final 武道館ライブ〉。彼らの最期の瞬間を捉えたライヴ・フィルムは必見です。 さらに、未発表フォトを多数含む充実のブックレット、当時のツアーで販売されたツアーパンフレット(リサイズ版)を収録。CD2枚、Blu-ray Disc 2枚を豪華特製ボックスに収納し完全生産限定盤としてリリースされます。また、この30周年特別編集版と並んで、『ザ・サークル』アナログ盤のリリースが決定しています。音圧を重視し充分な溝幅を確保するため2枚組、高品質サウンド仕様となります。 『ザ・サークル』は、ザ・ハートランドとの最後のセッションによるスタジオ録音盤。ロックンロールの直接的な表現にあふれていた『Sweet 16』に較べても、R&B的な色彩が強いのが特徴。90年代の初め、バブル経済の破綻によって混乱した社会を背景に、そこに生きる人々に思いを寄せた曲が並びます。アルバムを貫くシャッフル・ビート、ソウルやゴスペルの力強い節回し、そして説得力のある歌詞と熱意のこもったヴォーカル。“人間の無垢な感情(イノセンス)は、決して成長と引き換えに失ってしまうものではなく、大きな円環(サークル)の中で受け継がれてゆくものなのだ”(佐野元春)。この言葉が本作のコンセプトでありタイトルにも反映されています。 父親の死に伴う債務整理やプライベートでのトラブルに当たって活動を休止。様々な苦悩や経験で、詩はさらに哲学的な洞察力を増しています。レコーディング前にプリプロダクションを入念に行い、メンバーの曲に対する理解を深めたというエピソードも。英国のベテラン・オルガン・プレーヤー、ジョージィ・フェイムが参加。トラックダウンはビデオ撮影・ダンスリミックスと並行してロンドンのAIR Studiosで行われました。 オリジナル発売日は1993年11月10日。今回の30周年特別編集版にあたり、グラミー受賞など幾多の実績を残す世界屈指のエンジニア、テッド・ジェンセンがリマスタリング担当した音源を使用しています。『ザ・サークル』は佐野元春のキャリアのなかでも重要な作品のひとつであり、90年代国内ポップ・ロック作品の中でも屈指の名盤と言える作品です。