車のガソリンを給油するときはいつも満タンにしています。ただ、「ガソリンは満タンにしないほうがよい」とも聞くのですが、本当なのでしょうか?
自動車に給油をするとき、給油のたびに満タンにするのとこまめに必要な分だけ給油するのではどちらがメリットは多いか気になる人はいるのではないでしょうか。 本記事では、ガソリンを満タンにした場合のメリットやデメリットをさまざまな観点から解説します。 ▼ガソリンスタンドで「タイヤが消耗していて交換しないと危険」と言われた! すぐに換えるべき? 交換時期の目安についても解説
車のガソリンを満タンにしないほうがよい理由
ガソリンを満タンにするメリットは他にもありますが、反対にデメリットもあります。ガソリンを満タンにしたときのメリット・デメリットを考えてみましょう。 【ガソリン満タンのメリット・デメリット】 ガソリンを満タンにするメリット・デメリットは以下のとおりです。 ◆メリット ・給油回数が減る ・ガス欠の心配がない ・長距離移動や災害時に備えられる ・燃費を計算しやすい ・燃料タンク内の気化ガスの発生を抑えられる ◆デメリット ・車が重くなる ・長期間乗らないとガソリンが劣化する ・事故時にガソリンが無駄になる可能性がある 以下で、主な項目をピックアップして説明します。 【車両重量と燃費の関係】 ガソリンを満タンにすると車が重くなり燃費が悪化するといわれますが、その影響は大きくはありません。一般財団法人省エネルギーセンター(ECCJ)のデータによると、車両の重量(人や荷物、ガソリンなど)増加による燃費悪化率は以下のとおりです。 ・市街地:110kg増で3.4%、270kg増で8.3% ・郊外: 110kg増で5.4%、270kg増で10.6% ・高速道路: 110kg増で3.3%、270kg増で6.2% ガソリンは普通自動車が50L(37.5kg)、軽自動車が30L(22.5kg)で満タンになります。上記によると最大で10.6%悪化するものの、ガソリンの重さによる影響は少ないと考えられ、むしろ荷物や人数のほうが大きいと考えられます。 国土交通省が公表している「エコドライブ10のすすめ」によると、100kgの荷物を積んで走ると、燃費は3%程度悪化するそうです。 【車重増加によるガソリン代への影響】 最も燃費が悪化する郊外での走行で270kg(10.6%)増加の場合で、燃費悪化の影響とガソリン代を具体的に計算してみましょう。 ◆条件 燃費:22 km/L ガソリン単価:170円/L 走行距離:100km ◆悪化後の燃費 22 km/L×(100%-10.6%)=約19.67 km/L ◆悪化前後の燃費でのガソリン代 悪化前:100km ÷ 22km/L×170円/L=約772円 悪化後:100km ÷ 19.67km/L×170円/L=約864円 ※約92円増加 270kgは大人が4~5人乗った重量で、上記の計算からも人数や荷物が多いほど燃費が悪化すること分かります。 なお、ガソリンが満タンの37.5kgの場合は、92円×37.5kg/270kg=12.7円となり、ガソリンが満タンの場合にした場合の影響は少ないと考えられます。この結果から燃費の心配をするよりも、ガソリンを満タンにすることでガス欠や災害時に備えるほうがよいといえるでしょう。 【満タンで長期間保管すると劣化のリスクがある】 満タン給油のデメリットには、長期間使用しない場合のガソリン劣化リスクがあります。ガソリンは少量のほうが劣化しやすいものの、満タンだと劣化した際の損失が大きくなります。ガソリンは約6ヶ月で劣化するといわれているため、長期間使用しない場合は満タンで保管しないようにしましょう。
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