会社員です。新しい勤務先はフレックス制なのですが、いくら残業しても残業代は支払われないのでしょうか?
その他、残業代の疑問と会社と意見が異なるときにしておきたいこと
前述した「変形労働時間制」や「裁量労働制」については、言葉を知っている方は多いものの、正しい対象労働者や適用条件、時間外となる割増賃金の計算方法までを知っている方は少ないものです。 「1日8時間、1週間40時間」という労働時間以外の勤務なのかどうか、変形労働時間制や裁量労働制が採用されているのであれば、通常の労働時間はどの部分か、割増賃金の対象となる部分はどの時間なのか、就業規則や雇用契約書、労使協定などを会社は作成、保存する義務があります。労働者も、しっかりと書面で確認しておくべきでしょう。 もし、終業時間が18時と決められているときに、18時10分に帰社したときには、「15分に不足する残業時間は切り捨てる」など、法改正に対応していない、また情報を更新していない条項が記載された就業規則を使い続けているケースも珍しくはありません。 「最初は作成した」「法改正があったが、それに伴う改正案を検討中」「会社の規模が小さいから対応しきれていない」「これまで何の問題もない」など、しっかりと書類を作成していない会社の言い分は、このように、何の正当性もありません。それでも、労働者に時間外割増賃金を払わなくてもいい理由にはならないのです。 労働者として、勤務先から受け取った契約書や就業規則はちゃんと目を通す、給与明細が正しいか会社任せにはせず、疑問点があれば、会社にちゃんと質問するなど、普段から、会社任せにはしない習慣を身に付けておくことはとても大切なことだといえるでしょう。 執筆者:當舎緑 社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。
ファイナンシャルフィールド編集部