「やっとスタートラインに…」大堀相馬焼の窯元 13年ぶりふるさと浪江町で全面再開 福島
今年、福島県浪江町で制作を再開した大堀相馬焼の窯元が、6月30日に展示販売場をオープンさせ、施設が13年ぶりに全面再開しました。 【写真を見る】「やっとスタートラインに…」大堀相馬焼の窯元 13年ぶりふるさと浪江町で全面再開 福島 大堀相馬焼 陶吉郎窯・近藤学さん「これが最終目的ではないので、やっとスタートラインについた」 浪江町の大堀地区で施設が13年ぶりに全面再開したのは「陶吉郎窯」です。新しい展示販売場には、伝統的な青ひびが特徴の大堀相馬焼など、およそ400点が並んでいます。 いわき市からの客「前と同じではなく、一歩また一歩前進しているなと思ってうれしいです」 千葉県からの客「すごく素敵な作品がたくさんあって、もっと色々な人に知っていただきたいなと思った」 300年以上の伝統を誇る大堀相馬焼は、原発事故で20数軒の窯元はすべて避難し、浪江町で再開したのは初めてです。震災後、いわき市に活動拠点を構えた陶吉郎窯は、復活させた「登り窯」などで作品を作り続けています。 そして今年2月、ふるさとでの制作活動を再開。あとは、展示販売場のオープンを待つばかりでした。 窯元の近藤学さんがこの場所に展示したいと思っていたのが、会津漆器とコラボした「大堀陶胎漆器」。焼いた陶器の上に、漆で絵付けをした新たな作品です。 近藤さん「漆の質感というのは焼き物ではなかなか出ない。うまくいい所取り」 そしてこれは、復活した「筒描(つつがき)」。スポイト状の道具に絵の具を入れてしぼり出しながら文様を描きます。 近藤さん「これ(筒描)は残念ながらもう途絶えて久しいが、今回大堀で再開するにあたってぜひこれを復活したいなと」 近藤さんが目指しているのは、「伝統の継承」です。 近藤さん「ここで生業としてまず成り立たせることが大前提で、そこから多くの窯元さんは養成するか、来てもらうかで産地形成をする」 目指すのは、大堀相馬焼の「産地復活」。近藤さんの挑戦が再びここから始まりました。「陶吉郎窯」は今後、浪江町といわき市の2つの拠点で活動を続けていくということです。
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