「なみあいとうもろこし」名物に 阿智昼神観光局 ブランド化へ収穫体験【長野県阿智村】
長野県阿智村浪合地区で栽培されるトウモロコシを村の特産品に―。阿智昼神観光局が地元農家と連携し、「なみあいとうもろこし」としてブランド化に取り組んでいる。収穫体験や星空観賞などと組み合わせたイベントや加工品の開発など矢継ぎ早に打ち出して地区外にPR。6日には2年目を迎えた収穫体験が始まり、さっそく県外から観光客が訪れている。 浪合地区では約1200メートルの標高が生み出す寒暖差を生かしたトウモロコシ栽培が盛んで、「一粒一粒がしっかりとし、さわやかな甘味が特長」という。 一方で、同観光局の松下仁さんは「地域の人には知られているものの、村の特産品としては認識されていなかった」と指摘。「観光客の目は北信に向きがちだが、村にもおいしいトウモロコシがあることを知ってほしい」と昨年からブランド化に力を入れるようになった。 収穫体験を受け入れている地区内の農園「あっくん畑」では、約4ヘクタールでトウモロコシを栽培。昨年は県内外の100人以上が体験に訪れた。農園を営む豊田晃宏さん(40)によると、今夏は雨が少なく管理は厳しいものの、味が濃厚になっているという。 7日の収穫体験には県外の4組が参加し、生で食べてもおいしい品種「ドルチェドリーム」をもぎ取った。4歳のおいっ子らと訪れた愛知県みよし市の女性(48)は「子どものうちに食べ物を自分で収穫する体験をさせてあげたかった」と話し、おいっ子とともに大きなサイズのトウモロコシを探していた。 豊田さんは「食べた瞬間笑顔になる。現地に来て、自分の舌で生の味を確かめてほしい」と魅力を強調。「積極的なPRもあって収穫体験に来てもらえるようになり、実際に食べてもらうことで評判が良くなっている」と手応えを感じており、「シーズンを通して一緒にできるイベント、通年でPRする取り組みを定期的にやっていければいい」と話した。 収穫体験は16日まで受け入れている。 阿智昼神観光局は、あっくん畑で収穫したトウモロコシをECサイトで20日まで販売している。10本入り3460円(税込み)、20本入り6700円(同)。 昨年限定3000個を販売したところ、1カ月で完売するなど好評だったフリーズドライの加工品も12日から今期の販売を始める。そのまま菓子としても楽しめる商品で、今年は生産量を5倍に増やして通年で味わってもらう。 3、4日に開いた夜間収穫イベントにも多くの参加者があり、「昨年から少しずつ名前が出だしている。一層のブランド化が図れるよう展開していきたい」と松下さん。「お土産品として売るとともに、地域の旅館や飲食店に使ってもらい村の名物にしたい」と力を込めた。