阪神・森下 今季初スタメン落ちに燃えた!代打で発奮二塁打 平田ヘッド「前川とシェルドンもいいんでね」
「ヤクルト3-1阪神」(7日、神宮球場) 土壇場で放った一打で、神宮の虎党のかすかな望みをつないだ。今季初めてスタメンを外れた阪神・森下翔太外野手が、代打起用に発奮の二塁打。「後から行く人たちの大変さとか、去年分かりましたけど、今年もあらためて。スタメンで出ているありがたみと、後から出てくる難しさっていうのは感じました」。複雑な感情を整理しバットを振って、左翼スタンドからの拍手を浴びたが、勝利には直結しなかった。 【写真】佐藤輝 痛すぎる適時失策にベンチでヘルメットをたたいて悔しがる 昨年9月30日・広島戦(マツダ)以来となるベンチスタート。「代打・森下」がコールされたのは、敗色濃厚の九回2死、走者なしの場面だった。今季はバットを使い分けるが、3月31日・巨人戦(東京ドーム)で劇的1号を放った黄色のグリップテープを巻いたバットを手に打席に入った。 ヤクルトの守護神・田口が不在の中、九回のマウンドを担った清水と対峙(たいじ)。カウント2-1から甘めに入った直球を見逃さなかった。鋭い打球が三塁線を破って、スタンディングダブル。阪神ファンの興奮に合わせるように、二塁上で掲げた両手を打ち鳴らした。 試合前練習でフルメニューをこなした森下だったが、先発ラインアップにその名前はなかった。平田ヘッドコーチはケガを否定し、「前川とシェルドン(ノイジー)もいいんでね」と不調を原因とした。勝負どころで2本のアーチをかけて、5日・ヤクルト戦(神宮)でも値千金同点打をマークしインパクトを残すも、前日まで打率・138と低迷していた。 ルーキーイヤーは不調で2軍降格も経験し、成長につなげた。開幕からクリーンアップを任されてきた2年目、9試合目で初のスタメン落ち。「こういう時にどうやってモチベーションを保ちながら集中して練習からやっていくかってことを、平田ヘッドにも言われたんで、そのことを意識しながら今日は過ごしてました」。落ち込んでいる暇なんてない。気持ちをしっかり整えて、1本のヒットを光らせた。