氷見に活躍届け ハンド・安平、五輪へ メンバー発表会見、父に恩返ししたい
●8強入りへ意気込み パリ五輪男子ハンドボール日本代表に決まった安平光佑選手は28日、都内で開かれたメンバー発表会見で、能登半島地震で被災したふるさと・氷見への思いを語り、五輪本番での活躍を誓った。帰省中だった元日に地震を経験したことを振り返り「被災した方に応援してもらえるように、精いっぱい頑張りたい」と気合をみなぎらせた。 【写真】垂れ幕の前で安平選手にエールを送るハンドボール部の後輩=氷見高 チームの司令塔を担い、五輪の目標として8強入りを掲げてきた安平選手は「ゲームをコントロールすることは誰にも負けない。日本人らしいプレーをして、欧州のチームを一つでも倒したい」と意気込んだ。 小学生の頃から父哲治さん(49)に指導を受けながら腕を磨いてきた。感謝する人の名前には父を真っ先に挙げ「これまで教えてもらったことが正解だったと言えるように恩返ししたい」と力を込めた。 現在は捻挫した右足首の状態を見て調整を進めている。7月1日のフェロー諸島との親善試合は見送り、3日の試合に出場する意欲を示した。 29日は24歳の誕生日。会見では同学年のチームメートが安平選手にスニーカーを贈ったことを紹介。安平選手は会見後「今からいろんな人におねだりします」と照れ笑いを浮かべ、愛されキャラとしてチームになじんでいる様子を見せた。 36年前のソウル五輪代表で、協会のハイパフォーマンスディレクターとしてチームに帯同する荷川取義浩氏(前北國銀行ハニービー監督)は「今のチームは大きさもスピードも数段上。当時なら確実にメダルが取れるメンバー」と自信を見せた。 ●「爪跡残せ」父・哲治さん 安平選手の父哲治さんはインターネットで発表会見を見守り「選ばれて安心した。やるからには『安平光佑ここにあり』というのを見たい」と期待した。 右足首を捻挫し、26日に公開された強化合宿では別メニューに取り組んだ安平選手。本人からはけがの連絡も受けており、「落ちてもおかしくない状況で不安だった。良かったなと声を掛けたい」と喜んだ。 29日に誕生日を迎える息子の活躍を願い「プレゼントを逆にもらった。人生は一度きりなので楽しく、爪跡を残す結果を出してほしい」と話した。