【一問一答】中日・井上一樹新監督、現役時代の”代名詞”ピンクは「可能ならやっていきたい」
中日は10日、来季監督に井上一樹2軍監督（53）が就任すると発表した。井上新監督が名古屋市内で記者会見し、来季にかける思いなどを語った。以下は冒頭のあいさつと一問一答。 ◆井上監督に質問する「BOYS AND MEN」の辻本達規【写真】 「このたび、監督をお受けいたしました井上一樹です。僕も名古屋で育てられ、ドラゴンズで育ってきた身分なので、もちろんドラゴンズに恩返ししたい気持ちを持ちつつ、ここまでやってきました。まずもって一番に言わないといけないことは、先日まで指揮をとられていた立浪監督。心身ともに相当疲れていたということがありましたけども、その中で3年間務め上げ、オーナーの言葉にもありましたけど、種をまき、やっと芽が出始めたという中での引き継ぎ。責任は重大です。観客動員も230万人を超える、それくらい集客力のあるチーム。そこに甘えることなく、それだけバックアップをしてくださるファンの方がいる。一丸となってチームとして勝つチームに成り上がらないといけないという責務を肝に銘じながら、監督という重大な責任を務めあげられるかという不安もありますが、自分の中で我慢と勇気と持ち前のチームを明るくする長所を前面に出して、いいチームをつくれればな、と。どんな雰囲気をつくってチームを変えていくのかを日々考えてやっていきたい。立浪監督には、お疲れさまでした、というねぎらいの言葉とともに、これからも相談させていただくこともあると思いますけど、そういったことをこの場を借りて、言わせていただきます。そしてこれから背負わないといけない責任を全うすべく、お集まりになっているメディアの方に多分にご協力いただいて、頑張っていきたいと思います」 ―就任会見に臨む今の気持ちは 「そわそわしながら、どきどきするのではないのかと思いましたけど、意外に冷静な自分がいると思います。言うことは何も考えずにきましたけど、意外にしゃべれるものだな、と。意外にすらすら言えましたね。ただ就任会見をさせていただいたことをきっかけに、人事とか組閣とか堂々と動けるものも出てきますので、これを機に身の引き締まる思いです」 ―就任の話はいつ、どのような形で 「10月に入るか入らないかだったと思います。明らかにざわつき始めていたのは、分かっていましたし、いかんせん一番気をつけてほしいと思っていたのは、1軍の最終戦が10月6日だったので、それに当たって、最終戦が終わるまでは、そこまで務め上げた立浪監督やコーチの方に雑音が入って、不愉快な思いをしてほしくないという思いが頭にあった。そこは皆さんにお願いしたこともありましたけど、自分としては線引きをしないといけない思いはありました」 ―決断に至った要因は 「中日ドラゴンズの歴代の監督の名前を挙げても、素晴らしい人材ばかり。人間力、戦術にたけた、そして圧倒的な知名度を考えますと、僕でいいのか、という迷いが生じました。その中で決意を固めたのは、立浪監督へのリスペクト。立浪監督が育てて、磨き続けた原石が、光る手前まできている選手がたくさんいる。その財産をドラゴンズ以外の立浪さんとの絆が深くない方に持っていかれるよりは、自分がバトンを受け継ぐ方が一番スムーズなのかなということを考えて、決断に至りました」 ―2軍監督から見た今のドラゴンズは 「12球団を代表する選手がいないわけではない。もう一歩、もう少しというところが何か足らない。選手は必死にやっているけど、能力が発揮できていない。発揮するためには、どういった方向から攻めた方がいいのかな、と。技術だけではなく、チームが『また逆転された』とか『きょうも負けか』という気持ちになっているのかも。悔しさが半減している。勝つ喜びをもっと分かっていればというメンタルの部分。それから普段から練習はしているけど、いざというときに出せるか。そこも技量。そういったチーム力、個々の能力が仮に劣っているなら、束になって底上げしていくことによって、チームの戦力が上がると僕は信じている。個々が成長してくれれば、なおさら。勝つためにはどうしたらいいか。昔から心技体という言葉がありますけど、そこを大事に見つめ直すことから始めたい」 ―目指すチーム像は 「選手も支配下70人、育成は80、90人の大所帯になる。一人一人を面談せずとも、この選手はこういう性格だと。ボールを投げたらすぐ帰ってくる選手もいれば、『どんだけ吸収するねん』というくらい反発力のないというか、投げたボールが帰ってこない選手もいる。そんな選手も諦めずに何回でも球を投げてあげますよ、と。2軍の選手には、俺が好きな選手になれと言ってきた。それはいいところで打つ、肩が強い、いいプレーをするとかそんなことじゃなくて、チャンスで三振ばかりしたり、エラーばかりでも、『それでも俺はやりたい』『上を目指したい』という気持ちがある選手が好きだと常々言ってきた。1軍は成績が伴わないと、という場所。2軍でできなかったことが1軍でできるはずがないというのが、僕の口癖。こうやって僕も2軍で種をまいてきたつもり。育ってくれば、活気づくかなと思ってます」
