オランダ人元F1ドライバーが後輩デ・フリースの10戦で更迭に同情「時間を与えなかったのが残念…後半戦も戦っていたら良くなっていた」|F1
オランダ人ドライバー、ニック・デ・フリースについて、同胞の先輩が「もっとチャンスを与えられるべきだった」と発言。2023年の10レース終了時点でアルファタウリと契約解除となった後輩に、同情心を示している。 ●【F1™|ハイライト】F1™2023最終戦 エティハド航空・アブダビGP 決勝|2023 2022年のイタリアGPでは、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンが虫垂炎となり、メルセデスのリザーブだったデ・フリースがピンチヒッターを務め、モンツァでF1デビューを果たす。デ・フリースは初戦から9位入賞を果たして評価を高めた。 翌2023年はアルファタウリのレギュラードライバーの座を獲得。2019年のF2王者デ・フリースにとっては、28歳(開幕時)でようやくフルタイムのF1ドライバーとなった。だが同年のAT04は前半戦から戦闘力を欠き、コンストラクターズランキングでは最下位の状況が続く。 デ・フリースは僚友角田裕毅に比べて予選や決勝で上回るケースも少なく、アゼルバイジャンGPでは予選Q1、そして決勝のレース中とマシンを大きく壊す場面も散見された。結局デ・フリースはイギリスGP終了後に契約解消の憂き目に遭い、ハンガリーGPからはベテランのダニエル・リカルドがトロロッソの後継チームに復帰する運びとなった。 かつてケータハムからF1に参戦した経歴を持つオランダ人ドライバー、ギド・ファン・デル・ガルデ氏は「確かに書類上では、デ・フリースの更迭は正しい決断だったと言える。だけど、完全に公平な判断だったとは思えない」と述べ、デ・フリースの契約打ち切りはあまりに酷だったと主張した。オランダ『RacingNews365』に対して語っている。 「2023年のアルファタウリは、完全に不調な状態だったし、チームとして十分な力がなかった。古株のツノダだって対処に苦しんでいたことを忘れてはいけない」 「ニックは確かに苦戦していた。だがレースをするごとに大きなプレッシャーがあったのは気の毒に思える。ヘルムート・マルコ博士が毎週末のように“もっと速くなければならない”、“改善の余地がある”と口にしていたし、ツノダよりも前に出なければならないと思っていたはずだ」 「それがどれほど難しいことか。なぜならツノダはチームのリーダーだったからだ」 「F1にまだ慣れていない状況下で、いきなり明確な成果を示すというのはとても難しいことだ。時間がかかって当然だし、それは仕方のないこと。早くても半年~9カ月はかかるだろう」 ファン・デル・ガルデ氏は、2022年のモンツァでいきなり9位入賞を果たしたことからデ・フリースへの期待が一気に高まり、それがマイナスにもなったと見ているようだ。 「ウィリアムズで見事なレースを見せた後、誰もがニックはいつでも“それ”ができるドライバーだと思ったことだろう。だけど、そうはうまくいかず、契約は打ち切られた。彼にもっと時間を与えなかったのがとても残念だよ」 「ニックが力を示すためにはもっと時間が必要だったし、彼がいかに優れていて、何よりもどれほど献身的なドライバーであるかを私はよく知っているよ」 AT04はシンガポールGP、アメリカGPとシーズン中盤からアップグレードを入れていったこともあり、中団勢でも戦えるチームになっていった。前半11レースは角田の2ポイントのみで、後半11レースは23ポイントを稼ぎ出している。
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