花王の経営にも言いたい放題!香港系投資ファンドの最高責任者は「ハゲタカ」か、それとも「救世主」か
花王を名指しで批判
またもや外資系の「モノ言う株主」が日本企業に噛みついた。 「長谷部氏が社長に就任して以来、花王のすべての消費財のセグメントにおいて、マージン(儲け)が大きく下がっている」 【写真】在日中国人が「経済が発展しても中国に帰る気になれない」と語る納得の理由 花王の長谷部佳宏社長を名指しで批判するのは、香港を拠点とするアクティビストファンド、オアシス・マネジメントのセス・フィッシャー最高投資責任者だ。 花王は衣料用洗剤のアタックやスキンケア商品のビオレ、化粧品のキュレルといった有名ブランドを数多く持ち、スキンケア・洗剤部門では他を寄せ付けない国内トップ企業だ。オアシスは同社の株式を3%以上保有するとされるが、優良企業の何が不満なのか。 4月8日に記者会見を開いたセス氏は、特に花王の化粧品ブランドが、P&Gやロレアルなどの世界の競合他社に比べて「成長していない」と切って落とした。 「私たちが今日会見しているのも、花王に対して投資をしているのも、非常に大きな成功のチャンスがあるからです。しかし、花王はマーケット成長率の半分しか成長しない計画を立てている。これではマーケットシェアを失い続けることになり、将来は厳しくなる」 セス氏に言わせれば、化粧品ブランド一つとっても、花王は「マーケティング戦略が欠如」しており、「世界展開に消極的」「経営陣は努力すらしていない」と辛辣だ。その結果、株価は海外の競合他社に比べて大きく低迷していると指摘する。 オアシスは近年たびたび日本企業の大株主となり、株主提案を行って株式市場を賑わせてきた。 昨年はエレベーター大手のフジテックに役員を送り込んだうえで、創業家社長を放逐した。 ドラッグストア業界大手のツルハホールディングス(HD)に対しても、創業家の支配体制に疑義を呈して、役員を送り込もうとした。最終的にオアシスは、ツルハHDの株をイオンに高値で売却。これがイオン子会社のウエルシアHDとツルハHDの巨大合併への契機となっている。東京ドームに対しても経営改革を促して、結果的に三井不動産に買収させている。