「わざわざ株価が高くなりがちな権利確定月に買う必要はない」 億り人投資家が教える、株主優待銘柄の「買い時」「売り時」
優待銘柄の売りどき
そして売りどきだ。優待狙いで最大の恐怖は突然やってくる「優待廃止」「優待改悪」である。改悪というのは、優待内容が前よりも悪くなること。結局、優待については株主総会を経ず、経営者の胸先三寸で簡単に変更できてしまうから、優待の廃止・改悪を予測するのは難しく、自衛方法はない。 優待の廃止・改悪は、時として業績の下方修正並みのインパクトを株価に与える。たとえばかつての、オーシャンシステムがそうだった。優待内容変更を発表したのは2012年9月。発表直前に840円だったのが翌営業日には下に窓を開けて770円台へ急落した。 オーシャンシステムの場合、優待の廃止ではなく「100株で魚沼産コシヒカリ5キロ」から「200株で3キロ」への変更だったのだが、それでもこれだけのインパクトだからたまらない。 自衛策はないが、こうした優待廃止や優待改悪があったときの「安全域」として、「配当利回り3%以上」という条件がある。優待の魅力が剥落しても、「まだ3%の配当利回りがあるから」と思えば保有できる。これがもし、優待しか魅力のない銘柄であれば、黙って損切りするしかない。 優待銘柄をどのくらいの株数で買うか。基本は優待がもらえる最低単位だ。しつこいようだが、優待利回りというのは最低単位だけ買うことでもっとも高くなることが多い。以前にも「優待は貧者の味方である」と述べたが、市況が冷え込んだときに「そっと」「最低単位だけ」買うのが優待投資の基本中の基本だ。 ※www9945・著『年収300万円、掃除夫だった僕が7億円貯めた方法』を元に一部抜粋して再構成 【プロフィール】 www9945/元清掃員。個人投資家。東京都在住。チャートや企業分析などあらゆる角度から銘柄を選定し、信用取引を駆使して投資を行なう。1996年から本格的に投資を始め、2004年から現在のハンドルネームで投資ブログを開始。著書『年収300万円、掃除夫だった僕が7億円貯めた方法』(宝島社)が発売中。