増える「住民税非課税世帯」への給付。もらっているのはどんな人たち?
最近、住民税非課税世帯へ向けた給付が、国だけではなく自治体からも行われています。住民税非課税世帯への給付は、どういう意図で行われているのでしょうか。また、どのような人たちが住民税非課税世帯に該当し、どのような人たちがもらっているのでしょうか。考えていきます。
住民税非課税世帯には、どんな人たちが該当する?
最近よく聞く「住民税非課税世帯」とは、その名のとおり、世帯員全員の住民税が非課税となっている世帯です。自治体によって多少の差はありますが、基本的に住民税は年収100万円を超えた辺りから課税されているため、世帯員全員の年収が100万円未満であるかどうかが、住民税非課税世帯であるかどうかの境目といえそうです。 ただし、住民税は前年の1月から12月の1年間における収入を基準に、課税の有無や額が決定されます。それゆえ、今は収入が100万円未満になるような場合でも、住民税非課税世帯には該当しない場合もあります。扶養親族の人数など、所得控除の内容によっては、100万円以上であっても、控除の額が大きいため住民税非課税世帯に該当することもあります。 なお、住民税は所得割と均等割から構成されています。所得割とは所得に応じて額が決まる部分で、均等割とは所得に関係なく一律で課される部分になります。給付金において「住民税非課税世帯」を定義するに当たっては、このうち均等割が非課税であることが条件とされていることが多いです。
なぜ住民税非課税世帯への給付がなされている?
新型コロナウイルスがまん延して以降、住民税非課税世帯へ向けて、国や自治体などから住民税非課税世帯へ向けた給付が年数回行われるようになりました。金額も、1世帯3万円程度と比較的少額なものから、7万円など高額な給付もあるようです。 また、このように給付が頻繁になされる理由について、直近では、エネルギーや食料品などの値上がりも一因とされています。住民税非課税世帯は収入が低く、ただでさえ日々の生活も困難となっています。そこに直近の物価高の影響で、多くの世帯は生活がより苦しくなると想定され、そういった人々の生活を支援していくために、住民税非課税世帯への給付がなされています。 直近では、国の「重点支援地方交付金」を利用し「令和5年度住民税非課税世帯への臨時特別給付金」などといった名称で、各自治体が窓口となって給付がなされているところも見られます。