<速報>大谷、マメが潰れ緊急降板も負けは消える。
日ハムの大谷翔平(22)が10日、札幌ドームで行われたロッテ戦に先発、7試合ぶりに投手専念となったが、立ち上がりに制球が乱れて先に1失点、6回3分の1を投げて、8奪三振5安打3失点。十分にゲームを作ったが、味方打線がロッテ、先発のスタンリッジに抑えされ、負け投手の責任を負ったまま、7回途中に中指のマメが潰れたことも手伝って緊急降板。チームは、その後反撃、9回二死から田中の同点2号ソロで、大谷の負けを消すと、延長12回にレアードの25号サヨナラアーチで球団タイ記録となる14連勝を果たした。
栗山監督は、大谷の疲労を考え、7試合ぶりに打席には立たせず、投手専念起用とした。今季、大谷の投手専念は6試合あるが、6勝0敗、防御率、0.39と、負けなしのデータがある。 だが、大谷は、唯一の弱点とも言える、その立ち上がりに苦しむ。ボールをコントロールできず、1番に入っていた清田にストレートの四球。荻野貴は、バントを狙ってきたが、2球続けてファウルにさせ、結局、ライトフライ。しかし、リーディングヒッターの角中に155キロのストレートをセンター前に弾かれ、4番のデスパイネにも、追い込んでから甘く入ったスライダーを捉えられ、大谷の差し出したグラブをかすめるようにセンター前へ。連打で一死満塁となった。ピンチで迎えたナバーロには、ボール2-0から、ボールが抜けてカウント3-0。158キロのストレートで空振りを取り、捕手のサインにクビを振って外のストレートで攻めた。だが、ライトへ犠牲フライを打たれて失点。大谷の連続無失点は30イニングで止まった。 二回も一死から6月の月間MVP、田村に三遊間ヒットを打たれると、続く中村の初球にはエンドランを仕掛けられた。結果、ファウルとなったが、中村には変化球をうまく拾われ、また三遊間へ。一死一、二塁。2イニングで、早くも4本の被安打である。だが、清田のセンターへ抜けそうなショートライナーを中島が好捕。すぐさまセカンドへトス、田村が二塁へ帰りきれずに併殺打となって大谷はピンチを脱した。 大谷は、ストレートを主体に立ち直りを見せ、3回、4回と続けて三者凡退。4回には、ストレートは160キロをマーク。井口、鈴木と連続三振。 大谷を助けたい打線は、4回、スタンリッジから先頭の陽が、右越え二塁打。しかし、4番の中田が見送り三振、田中が左飛、暴投で陽は三塁へ進んだが、レアードも二ゴロ。1点が重い。 5回、大谷は先頭の田村に一、二塁間に流され、無死の走者を許す。続く中村にはバントをさせなかったがフォークがワンバウンドになり、それを大野が止めることができず難なく二塁へと進めてしまった。しかし、ここからが大谷の真骨頂である。中村、清田を連続三振。荻野もセンターフライに打ち取った。 この日の大谷は、コントロールの乱れから球数が多く、6回を3人で斬った時点で、球数は111球になっていたのだが、7回も続投。一死から鈴木を死球で歩かせ、田村にも四球。ここで、指に異常を訴えた大谷は、マメの治療のために一度、ベンチに下がった。球数が、すでに123球に達していたこともあって、そのまま、栗山監督はピッチャー交代を告げた。 後を受けた谷元は、中村を三振に取って二死としたが、代打・高濱を四球で歩かせ、満塁となって荻野にセンター前へ2点タイムリーを許して、0-3。大谷に失点2がプラスされることになった。さらに角中に左中間を破る2点タイムリーを浴びて点差が広がり、試合中に大谷は、「先頭から四球を出すなど納得のいくピッチングができなかった」とのコメントを回した。 5点を追う日ハムは、その裏、一死一塁から岡が左中間に2ラン。スタンリッジを引きずりおろし、さらに一死一、二塁から、2番手の大谷から陽、中田の連続タイムリーで、ついに1点差に詰め寄った。 最終回、ロッテの守護神、西野に対して、陽、中田がポンポンとアウトを取られたが、二死から「ツーアウト走者なしだったので一発狙っていた」という田中がライトスタンドへライナーで飛び込む起死回生の同点2号アーチ。大谷の負けを消してゲームを振り出しに戻すと、延長12回裏、この回、先頭のレアードがサヨナラ25号。劇的な幕切れで、球団タイ記録となる14連勝を果たした。