「光る君へ」藤原道長は『ゴッドファーザー』アル・パチーノをイメージ 柄本佑、プレッシャーを明かす
なお、実生活では長男である柄本は末っ子に憧れがあったとも。「お兄ちゃんがいる人をうらやましく思っていたので、自分の思い描く末っ子像みたいなのは入っちゃっている気がします。だから、もしかしたら演じるうえでは実生活で兄貴が兄貴役を、弟が弟役をやるよりもいいのかもしれない、とも思います」と言いつつ、父親役には緊張があるとも。道長はのちに正室・源倫子(黒木華)や側室の源明子(瀧内公美)と子をもうけるが、柄本自身も一女の父だ。 「過去にお父さん役を初めて演じた時に、言い方が難しいんですけど、ものすごくお父さんしちゃったんですよ。だけど完成した作品を観たら全然お父さんに見えなくて。自分も実際父親になってみて、別に変わらないなというか。でも、周りからは“なんかお父さんらしくなってるよね”みたいなことを言われたりする。ということは、そういうのは周りが判断することで自分が思うことではないんだなとその時気が付いて。だから今でもお父さん役となると、ちょっときゅっと胸が締めつけられる瞬間があります。今、平安時代の役を演じていますが、普通でいること、2024年を生きている自分っていうものがものすごく大事な気がして、日々演じてます。平安だなんて思ったら即座に終わると思っているぐらいで」
ちなみに、現在はかつらをつけず地毛を結っているという柄本は「これが非常に助けになっている」と語る。「昨年の5月末ぐらいの頃はギリギリ足りているけど、もうちょっと伸びたらいいなっていう状態だったんですけど、今は少し伸びすぎて1回結ったら折りたたんでちょうどいい長さに調整しています。地毛だとセッティングに時間がかからないんですよね。それに横から撮った時とかにかつらだとどうしても二層ある感じになってしまう。準備時間をしっかりいただくことができて地毛で時代劇、平安時代を生きることができて、これは非常に助けになっていると思います。あと、触れるのもいいですね。かつらだと少し遠慮してしまうところがあったりするので」
これまで家のためには非道な手段もいとわない父や兄たちに抗ってきた道長だが、彼もまた同じ道をたどることになるのか。その変貌ぶりが楽しみでならない。(編集部・石井百合子)